抗体を検出するために色々な物質を標識した抗体が市販されています。
市販のキットを用いて自分で標識することも可能ですが、その際には抗体の活性が失われないように注意する必要があります。
・蛍光標識
・酵素標識
・ビオチン
・磁気ビーズ・アガロースビーズ・磁気アガロースビーズ
・金コロイド
フローサイトメトリーや免疫蛍光染色法などで用いられます。複数の異なる蛍光標識抗体を用いることで二重染色や三重染色などの多重染色が可能になります。
蛍光物質名 | |
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蛍光色素(低分子蛍光色素) | FITC(Fluorescein Isothiocyanate)、Alexa Fluor®色素、Cy色素など |
蛍光タンパク質 | PE(Phycoerythrin)、APC(Allophycocyanin)など |
オルガネラマーカー抗体による免疫蛍光染色
ゴルジ体タンパク質のGM130に対する抗体でHeLa細胞を免疫染色しました。
抗体:Alexa Fluore® 488標識 抗GM130抗体(Code No. M179-A48)
細胞表面マーカーに対する蛍光標識抗体でT細胞を種類ごとに分ける
フローサイトメトリーで異なる蛍光物質を標識した抗体(CD4-FITC, CD8-PE)を用いることにより、T細胞をヘルパーT細胞や細胞障害性T細胞などに分けることができます。
PE標識 抗CD8抗体(Clone: KT15, Code No. D271-5)
FITC標識 抗CD4抗体(Clone: GK1.5, Code No. D341-4)
ELISAやウエスタンブロッティング、免疫染色で用います。
酵素を結合させた抗体に基質を反応させて発光または発色で検出します。
蛍光物質名 | 発色基質 | 化学発光基質 |
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HRP(Horseradish peroxidase) | DABやTMBなど | ルミノール系(ECL) |
AP(Alkaline phosphatase) | BCIP/NBTやpPNPP | ジオキセタン系(CDP-star®など) |
免疫組織染色の結果から、肝臓組織でオートファジーが起きていることが分かります。
一次抗体:マウス抗GFP抗体(Clone: 1E4, Code No. M048-3)
二次抗体:抗マウスIgG抗体(HRP標識、Code No. 330)
フローサイトメトリーや免疫蛍光染色、免疫組織染色などで用いられます。ビオチンを標識した抗体に色素や酵素・蛍光物質を標識したアビジンを反応させて検出します。
抗体:ビオチン標識 抗GP2 (Glycoprotein 2) 抗体(Code No. D278-6)
抗体を磁気ビーズやアガロースといった担体に結合させた製品は、免疫沈降などに用いられます。
>>免疫沈降(IP)の原理と方法
免疫電顕に用いられます。高感度で、蛍光標識や酵素標識のようにシグナルが減退することがありません。
オートファゴソームのマーカーであるLC3に対する免疫電顕
一次抗体:抗LC3モノクローナル抗体(Clone: 4E12, Code No. M152-3)
蛍光物質 | FITC標識抗体 PE標識抗体 Alexa Fluore®488標識抗体 Alexa Fluore®594標識抗体 Alexa Fluore®647標識抗体 |
酵素 | HRP標識抗体 AP標識抗体 |
その他 |
ビオチン標識抗体 磁気ビーズ標識抗体 磁気アガロース標識抗体 アガロース標識一次抗体 |