RIP-Assay Kit for microRNA
- RIP-Assay Kit for microRNAとRIP-Assay Kit との違いは何ですか?
RIP-Assay Kitではsmall RNAを回収できません。
RIP-Assay Kit for microRNAはsmall RNAとlarge RNAの両方を回収することができます。さらに、small RNA と large RNA を別々もしくは small RNA だけを回収することもできます。RBP/large RNAに結合するsmall RNAを回収することで、対象とする細胞内イベントがRBPだけでなくsmall RNAによってどのように調節されているかも調べられます。さらに、miRNAのターゲット同定にも有用です。 - 実験で必要な細胞数はどのくらいですか?
細胞の種類によって異なりますが、4×106 -2×107個の細胞を準備してください。はじめは、目安として1×107 cells/sampleでの検討をお勧めします。 - 最も効率よくmiRNAを得られる抽出方法を教えてください。
large RNAが混入しても問題なければ、2-step methodで抽出してください。ロスを最小限に抑えられます。 large RNAの混入を避けたい場合は、Separation method もしくは 1-step methodで抽出してください。 - 得られたmiRNAの測定方法を教えてください。
回収したmiRNAの量や質を確認したい場合は、変性ゲルでの電気泳動後、Gelstar(タカラバイオ; code. F0535)などの核酸検出試薬や銀染色により可視化して、目的のサイズのmiRNAが回収できたか、分解産物を多く含んでいないか、また、コントロールとの比較で回収量を確認してください。定量レンジであれば、RNA定量試薬による定量も可能です。
回収したmiRNAのうち、特定のmiRNAの有無または得られた量を知りたい場合は、Northern blotまたはRT-PCRで確認することができます。網羅的に解析する場合は、RT-PCR、マイクロアレイ、シークエンスを行うことで、得られたmiRNAを同定することができます。 - ゲル抽出以外に、miRNAを単離する方法はありますか?
miRNAの使用目的によりますが、
・アレイの場合、溶出液をそのまま使用可能です。
・クローニングやシークエンスに使用する場合、on beadsでリンカーを付加させた後にmiRNAを回収します。
・small RNA Cloning Kit (タカラバイオ; code. RR065)などのキットもあります。 - RNA回収の確認にバイオアナライザーと銀染色を両方行っているのはどうしてですか?
RIP-Assay Kit for microRNAでは、large RNAとsmall RNAを両方回収可能です。 バイオアナライザーは、RIP後に得られたlarge RNAについてRNAが分解していないか、各RBPごとに特徴的なRNAが得られているか確認する目的でおこなっています。各RBPの波形のパターンを見て、対象とするRBPに特徴的なRNAを回収できたか確認する目安としています。 銀染色は、small RNAの回収を確認する目的で行っています。small RNAの場合、NanoDropやバイオアナライザーの検出限界以下となってしまうためです。 - クロスリンクをおこなわず、Protease inhibitorの添加のみでRNAは安定化しますか?
protease inhibitorの添加は、RBPや抗体の分解を防ぐことを目的としており、RNA-RBPの結合の安定化への効果は少ないと考えられます。RBPとの結合力が弱いRNAを回収したい場合はクロスリンクが必要となります。 - (ホルマリン)クロスリンクしてもRIP抗体で抽出できますか?
ホルマリンでのクロスリンクは検討しておりません。 ホルマリンでは核酸とタンパク質だけでなく、タンパク質同士も架橋されます。したがって、クロスリンク検討を実施するにあたり、ホルマリンはあまり適さないと判断しています。 - 磁気ビーズを使用したいのですが、可能ですか?
Protein AおよびProtein Gについては、Dynabeads® (Invitrogen)がご利用できます。Protein G-Magnetic Beads (MBL; code. MJS002V2)もご使用になれます。