RIP-Assay Kit for microRNAは、従来のRIPアッセイに加え、miRNA解析を可能とした新ツールです!
特定の疾患や機能に関連したmRNAやmiRNAなどはRNA結合タンパク質(RBP)を介してクラスター(RiboCluster)を形成していると考えられています。本キットではRBPに対する抗体を用いてリボヌクレオタンパク質(RNP)を免疫沈降し、そのRNPからRNAを抽出する手法、すなわちRIPアッセイにより、RiboClusterごとのmRNAとmiRNAを分離・濃縮することができます。これにより各クラスターごとのmRNAとmiRNAを同定することが可能になります。
RIP-Assay Kit for microRNAは、RIP-Assayにより機能的に関連するmRNA及びmiRNAを回収するために、最適化されたキットです。実験デザインに合わせて、3つの抽出方法を選択することができます。さらにRNA抽出ステップではフェノール溶液を使用しないため、廃液処理の手間も省けます。
RISCの中心的役割を担うAGO2に対する抗体によるRIPアッセイ。
細胞: Jurkat
細胞数: 1 x 107 cells/sample
抗体: Mouse IgG2a (M076-3)
Anti-EIF2C2/AGO2 mAb (RN003M)
抗体使用量: 15 µg
RNA抽出法: Separation method
1. 免疫沈降後のビーズにAGO2が結合していることをWBで確認しました。
2. 分離されたlarge RNA画分をバイオアナライザーで解析しました。
●AGO2を含むクラスターからlarge RNAが濃縮分離されたことが確認できました。
3. 分離されたlarge RNA画分をRT-PCRで解析しました。
●c-Myc, EIF5, IRF2BP2のmRNAが同定されました。
4. 分離されたsmall RNA画分を銀染色で確認しました。
●AGO2を含むクラスターからsmall RNAが濃縮分離されたことが確認できました。
5. 精製したsmall RNAをシークエンス解析しました。
●small RNA画分から多くのmiRNAが同定されました。(解析:96クローン)
RISCの構成因子ではないIGF2BP1/IMP1*とRISCの構成因子であるTNRC6A/GW182に対する抗体による
RIPアッセイ。
(*IGF2BP1/IMP1は細胞内にてmRNAの輸送や局在化、翻訳制御の役割を担うという報告があります。)
細胞: K562
細胞数: 1 x 107 cells/sample
抗体: Mouse IgG2a (M076-3)、Anti-EIF2C2/AGO2 mAb (RN003M)、Normal Rabbit IgG
Anti-IGF2BP1/IMP1 pAb (RN007P)、Anti-TNRC6A/GW182 pAb (RN033P)
抗体使用量: Mouse IgG2aとAnti-EIF2C2/AGO2は 15 µg、その他 25 µg
RNA抽出法: Separation method
1. 免疫沈降後のビーズにRBPが結合していることをWBで確認しました。
●IMP1に対する抗体でIMP1関連クラスターの1成分としてAGO2も共免疫沈降されていることが確認されました。
2. 分離されたlarge RNA画分をバイオアナライザーにて解析しました。
●それぞれの抗体を用いて得られたRIPサンプルからlarge RNAが濃縮分離されたことが確認できました。
3. 分離されたsmall RNA画分を銀染色で確認しました。
●それぞれの抗体を用いて得られたRIPサンプルからsmall RNAが濃縮分離されたことが確認できました。
4. 精製したsmall RNAをシークエンス解析しました。
●RISC構成因子でないIMP1のRIPサンプルからも多くのmiRNAが同定されました。(解析:各48クローン)
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