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Image based Protein-Protein interaction (PPI) analysis

  • 生きた細胞で、リアルタイムにタンパク質間相互作用を観察できます。
  • 従来法に比べ、系の構築が簡単です。
  • 反応が可逆的で阻害剤のスクリーニングに最適です。
Fluoppiとは Fluoppiの原理 実験系の構築
Fluoppi使用例 細胞内の局在 PPI modulator [induction] PPI modulator [inhibition]
参考文献




Fluoppiとは

概要

Fluoppi (Fluorescent based technology detecting Protein-Protein Interactions) は、生きた細胞内でタンパク質間相互作用(Protein-Protein Interaction, PPI)を測定するための新しい基盤技術です。 Fluoppiは全く別の視点から蛍光タンパク質を利用した技術であり、PPIを細胞内の蛍光輝点(foci)として検出します。PPIの存在を示すfociはPPIが発生した場所で直ちに形成され、PPIの解離とともに分散します。 Fluoppiの最大の特徴は系の構築が簡便であり、また、得られるシグナルが明瞭である点です。特殊な装置を必要とせず、蛍光顕微鏡さえあればPPIを検出することができるため、イメージングを専門とする研究者以外の方々にも幅広くご利用頂けます。

PPI induction PPI inhibition
mTOR(FRB) and FKBP12 p53 and MDM2

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Fluoppiの原理


Fluoppi(フロッピー)はTag-technologyです。4量体形成能を有する蛍光タンパク質(FP-tag)と、多量体形成能を有するAssembly Helper Tag (Ash-Tag)から構成されます。蛍光相関分光法による測定で、Ash-Tagは希薄溶液中において平均的に4から8量体を形成することがわかっています。それぞれのtagに相互作用を検出したいタンパク質XとYを遺伝的に融合します。
タンパク質XとYの相互作用が無い場合、両者は分散して存在します。XとYが相互作用すると、Fluoppiのtagを融合したタンパク質同士が局所的に集まります。Tagの一方は蛍光タンパク質の為、顕微鏡下では蛍光性の輝点(Foci)として観察されます。


■イメージ図


実験系の構築

■ベクターマップ

■蛍光特性


励起最大波長/蛍光最大波長 モル吸光係数 (M-1cm-1) 量子収率 pH感受性
AG
492/505
72,300 (492 nm)
0.67 pKa=5.0

■ワークフロー
1. Target gene amplification & restriction enzyme cut

Fluoppiの系を構築するためにはまず、タンパク質X/Yに各tagを融合したプラスミドを作製します。 最適な組み合わせを選択する為に、融合位置(N・C末)と融合するtag(FP-tag or Ash-tag)の違いにより、合計で8通りのプラスミドを作製することをお勧めします。


2. Ligation & sequencing

3. Transfection
作製したプラスミドをtransfectionします。


4. imaging
得られるシグナルが明瞭であるため、特殊な装置を必要とせず、蛍光顕微鏡さえあればPPIを検出することができます。

種々の刺激によりタンパク質X/Yが相互作用すると、Fociが形成されます。一方、タンパク質X/Yが相互作用しない場合、蛍光は分散した状態で観察されます。


■p53-MDM2の相互作用の検討例

p53-MDM2の相互作用について、全てのバリエーションを検討しました。上段と中段の写真は8通りの組み合わせの検討結果、下段は、ネガティブコントロールとしてAsh-Tagのみをco-transfectionした結果です。この様に、様々な蛍光パターンが得られることがあるため、全ての組み合わせを試し、最適な組み合わせを選択する事をお勧めします。これまで検討したPPIでは8通りを検討するだけで多くの場合でPPIを検出できています。


Fluoppi使用例

細胞内の局在


FP-tag, Ash-tag自身は、細胞内の特定の領域に局在しません。このため、 Fluoppiは複数の細胞内領域において、タンパク質間相互作用を検出する事ができます。


PPI modulator [induction]

■mTOR(FRB domain)とFKBP12のRapamycin依存的な相互作用のモニター例

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mTOR(FRB domain)のC末にhAG(Humanized Azami Green)を融合し、FKBP12のN末にAsh-Tagを融合しました。Rapamycin添加前(左)は蛍光が分散して観察されますが、Rapamycin添加後(右)数分で相互作用を示すfociが徐々に形成されます。



左のグラフはRapamycin濃度依存的なfoci形成の検出、右はFK506によるRapamycin競合阻害を示しています。Rapamycinを添加し、60分後に細胞を固定しました。観察は、ORCA-ER (Hamamatsu photonics)、IX71 fluorescence microscopy (Olympus)を使用し、ICY platform (Institut Pasteur)、 IGOR software (HULINKS Inc.)によって解析しています。


PPI modulator [inhibition]

■p53-MDM2相互作用に体するPPI inhibitor効果の検出例

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p53-MDM2はタンパク質間相互作用阻害剤 (PPI inhibitor)の分野でよく知られた創薬ターゲットです。種々のがんではMDM2の発現量が高く、p53によるアポトーシスの誘導を阻害していることが知られています。
p53-MDM2をFluoppiに適用し、まず、最適な組み合わせを8通りから選択し、G418とHygromycinを用いてCHO-K1安定発現株を作製しました。
写真はNutlin-3(20 µM)添加後、継時的にfociが消失する様子を示します。数分でfociが解離する様子が観察されました。
写真右下の時間は、分:秒を示します。



Nutlin-3濃度依存的にfociが消失する様子を検出した結果です。各濃度のNutlin-3を添加し、30分後細胞を固定しました。In Cell Analyzer 1000(GE Healthcare)によりfociの蛍光輝度を測定した結果、IC50は6.3 µMと算出されました。


使用文献

  • Koyano F, et al., Ubiquitin is phosphorylated by PINK1 to activate parkin. Nature. 510, 162-166 (2014) [PMID: 24784582]
  • Yamano K, et al., Site-specific Interaction Mapping of Phosphorylated Ubiquitin to Uncover Parkin Activation. J Biol Chem. 290, 25199-211 (2015) [PMID: 26260794]
  • Asamitsu K, et al., Quantification of the HIV transcriptional activator complex in live cells by image-based protein-protein interaction analysis. Genes Cells. 21, 706-16 (2016) [PMID: 27193293]

参考文献

  • Saio T, et al., PCS-based structure determination of protein-protein complexes. J. Biomol. NMR. 46, 271-280 (2010) [PMID: 20300805]
  • Banaszynski LA, et al., Characterization of the FKBP.rapamycin.FRB ternary complex. J. Am. Chem. Soc. 127, 4715-21. (2005) [PMID: 15796538]
  • Vassilev LT, et al., In vivo activation of the p53 pathway by small-molecule antagonists of MDM2. Science. 303, 844-848. (2004) [PMID: 14704432]