抗体医薬開発
抗体医薬品開発のためのリード創出、また医薬品としての開発に向けたリード最適化のための様々なサービスをご提供しています。
MBLの抗体開発技術の強み
日本で最初の抗体メーカーとして設立されたMBLにとって、抗体作製技術は基幹技術であり、価値創造の源泉として以下3つの強みを持っています。



MBLが提供するモノクローナル抗体開発サービス
ターゲット分子や目的に合わせた方法をご提案します。

リード創出: 抗体作製
抗体の取得方法はハイブリドーマ法とファージディスプレイ法およびシングルBセルクローニング法の3種類をご提供していますが、抗体取得後のリード最適化における遺伝子改変プロセスへのスムーズな移行のため、抗体のスクリーニングと同時に抗体遺伝子を取得できるファージディスプレイ法による抗体取得をお勧めしております。
- ハイブリドーマ法
- 一般的なモノクローナル抗体作製方法です。
抗体を産生しているB細胞と不死化したがん細胞(ミエローマ)を人工的に融合させ、特定の抗体遺伝子と抗体産生能を維持しながら半永久的に生存できる融合細胞(ハイブリドーマ)を作製します。
このハイブリドーマの中から、結合親和性や特異性に優れたモノクローナル抗体を産生する細胞を選択します。
VHとVLの会合を再構築するファージディスプレイ法と異なり、生体内で産生された抗体が改変されることなく取得可能です。
- ファージディスプレイ法
- ファージディスプレイ法は繊維状ファージに抗体(scFv型、Fab型)を提示させ、目的の分子(抗原)に結合する抗体および抗体遺伝子を取得する方法です。この方法は、膨大な種類の抗体を含んだ抗体ライブラリーが構築できるため、非常に希少で結合力の高い抗体を、迅速かつ効率的に取得できます。また、スクリーニングの際に抗体遺伝子を取得することができ、抗体のヒト化などの抗体改変プロセスへすぐに移行可能です。
- ファージディスプレイ法&次世代シークエンス解析
- ファージディスプレイ法&次世代シークエンス(NGS)解析は、ファージディスプレイ法によって選択された抗原特異的な抗体群の遺伝子を用いてNGS解析を行い、候補となる抗体クローンを選択する方法です。それらの候補抗体クローンの遺伝子を哺乳動物細胞に導入して、発現した抗体の中から、より親和性や特異性に優れたモノクローナル抗体を選択します。
この方法では、抗原特異的な抗体群に存在する希少な候補抗体クローンを取得できます。
- シングルBセルクローニング法
- シングルBセルクローニング法は抗原特異的な抗体を産生するB細胞を1細胞ずつ分離し、抗体遺伝子を取得する方法です。それらの抗体遺伝子を哺乳動物細胞に導入し、発現された抗体の中から、より親和性や特異性に優れたモノクローナル抗体を選択します。
この方法では、短期間に多くの抗原特異的な抗体産生B細胞を取得することが可能であり、ハイブリドーマ法と同様に生体内で産生されるVHおよびVLペアとなる抗体遺伝子を取得できます。
MBLが取り扱う抗体取得技術の比較

リード最適化: 抗体の最適化
当社で取得した抗体、あるいはお手持ちの抗体を改変する様々な技術を保有しています。
2022年3月現在、日米欧で100品目の抗体医薬品が承認されておりますが、その中でもヒト化抗体は50種類を超え*、抗体医薬開発において、動物由来の抗体のヒト化は一般的な手法の1つとなっています。当社では、この抗体のヒト化に加え、抗体の親和性を向上させるアフィニティーマチュレーションサービスをご提供しています。
* 出典:国立医薬品食品衛生研究所ホームページ(http://www.nihs.go.jp/dbcb/mabs.html の表1)(2022年6月21日に利用)
- 抗体のヒト化
- 動物由来抗体を医薬品として用いる場合、異種動物由来のため、アレルギー症状等の副作用を起こしてしまう可能性があります。これを防ぐ目的で、CDR領域以外の配列をヒト配列に置き換えます。
- アフィニティーマチュレーション
- ファージディスプレイ法を用いた抗体の親和性向上技術です。
本技術は、抗体の性質(抗原結合部位および機能)を大きく変えることなく親和性を向上させる際に有効な技術です。また、動物由来の抗体をヒト化して親和性が低下した場合、本技術によりヒト化抗体の親和性向上が期待できます。