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免疫と免疫担当細胞


免疫とは

外界からからだを守る仕組み

われわれを取り巻く環境には、ウイルス、細菌、カビ、原虫、寄生虫といった病原体や、花粉、ハウスダストといった物質が、異物として数多く存在しています。免疫とは、こうした異物からからだを守る仕組みのことです。
免疫は、まず異物を「非自己」として認識することから始まり、さまざまな細胞や分子が相互に関与しながら、これら非自己を排除しようとする複雑なネットワークを形成しています。

自然免疫と獲得免疫

わたしたちは2種類の免疫をもつ

免疫には、体内に侵入した異物を認識してただちに排除する「自然免疫」と、侵入した異物の情報をリンパ球が認識し、その情報に基づいて特定の異物を排除する「獲得免疫」が存在します。それぞれの免疫で、主役となる免疫細胞の種類は異なります(図.免疫細胞の種類)。
また、ここ三十年ほどの間に、自然免疫による異物の認識という段階がなければ、獲得免疫が始動しないことが分かり、自然免疫と獲得免疫が相互に補完して私たちの体を守っていることが明らかになりました。

免疫細胞の種類

免疫細胞の種類
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研究者コラム
エドワード・ジェンナー 「種痘~近代免疫学の父~」

牛の乳搾りをしていて手の傷から牛痘に罹った人は、その後天然痘に罹らないという農民の言い伝えから、ジェンナーはこれを天然痘の予防に使えないかと考え、1796年、牛痘にかかった女性の水疱から取り出した液体の一部を8歳の少年に接種しました。少年は若干の発熱と不快感を訴えましたが、深刻な症状にはなりませんでした。その後、細心の注意を払って天然痘を接種したところ、少年は天然痘には罹りませんでした。この試みによって、牛痘による天然痘予防法が成功しました。
1798年、この成果を発表し、ジェンナーの種痘法は急速に普及し、彼は「近代免疫学の父」と呼ばれるようになりました。その後天然痘ワクチンは改良されて1980年には WHO(世界保健機関)は天然痘撲滅を宣言しました。