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アレルギー


過剰な攻撃

アレルギーでは、花粉や食べ物、薬剤に対して、過剰な免疫反応が起こり、鼻水、下痢、蕁麻疹(じんましん)などの症状が出て、ときには命を失うこともあります。このアレルギー反応は、IgE抗体によって引き起こされます。IgE抗体は血中の好塩基球や皮下や組織にいる肥満細胞の表面にあるFc受容体に結合しており、このIgEに抗原が結合すると好塩基球と肥満細胞から細胞内の顆粒が放出されます。

IgEと肥満細胞によるアレルギーの発生機序

IgEと肥満細胞によるアレルギーの発生機序

顆粒中にはヒスタミンやセロトニンなどの炎症を起こす物質が大量に含まれており、血管の拡張や平滑筋の収縮を引き起こします。それが鼻水、蕁麻疹、嘔吐、下痢の症状となります。抗原が大量に血中に入った場合は、全身の血管が拡張することによって急激な血圧低下、呼吸困難というアナフィラキシーショックの症状を引き起こし、死に至る場合もあります。IgEは、1960年代にアレルギー患者さんの血中にアレルギーを誘導する物質に結合する分子があることが発見され、その分子は新しいタイプの抗体であるIgEであることがわかりました。IgEは、血中には微量にしか含まれていません。IgEは、消化管に線虫などの寄生虫が感染したときには重要な役割を果たします。寄生虫に特異的なIgEが肥満細胞を刺激し、寄生虫の腸管内定着を防ぎます。最近は腸内に寄生虫を持つ人は少なくなり、寄生虫に対するIgEより花粉に対するIgEの相対的な量が増え、花粉に対する肥満細胞の反応が活発化されたとも考えられています。

 

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