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Th17細胞の分化
Th17細胞は90年代にTh1、Th2細胞とは別のCD4⁺ヘルパーT細胞として報告されました。Th17細胞はTh1やTh2細胞とは異なり、炎症性サイトカインである, IL-17、IL-21、IL-22、TNF-αなどを産生して、炎症を誘導することが知られています。Th17細胞は炎症性大腸疾患（クローン病など）や関節リウマチなどの自己免疫疾患、あるいはアレルギーに関与していることが報告されており、新規治療ターゲットとしても注目されています。
TGF-βはTreg細胞(制御性T細胞)の分化誘導シグナルとして知られていますが、Th17細胞の分化にも必要です。Th17細胞はTGF-βだけでなくIL-6のシグナルが加わることで、ナイーブCD4⁺T細胞から分化誘導されます。TGF-βとIL-6のシグナルによりSTAT3が活性化すると、その下流にあるRORγt（retinoic acid receptor-related orphan receptor-γt）と呼ばれる転写因子を発現し、これがTh17細胞の増殖と生存に重要な役割を果たしていると報告されています。
近年ではPodoplaninという細胞表面タンパク質がTh17細胞に特異的に発現することが報告されています(Peters A ^{et al.} Immunity. 35, 986-96, 2011, PMID: 22177922)。異所性リンパ節の形成に関連している他、Podoplanin欠損マウスはリンパ節濾胞や脾臓の胚中心、残存リンパ球の形成に欠陥があることから、2次リンパ組織の構造の発達に重要な役割を果たしていると考えられています。　