マウス胆管オルガノイド培養方法

概要

マウス胆管のオルガノイド培養方法について、肝臓組織処理からオルガノイド培養までをご説明します。

方法:肝臓組織酵素処理~オルガノイド培養

手順  
①肝臓組織(1 g程度)をPBSにて3回洗浄する。 肝臓組織(1g程度)をPBSにて3回洗浄する。
②洗浄した組織を氷上のシャーレに置き、滅菌済み鋏でおおよそ1 mm角になるまでミンスする。
③ミンスした組織片を50 mLチューブに回収する。
④組織分散液(10 mL)を加え懸濁する。
⑤組織分散液を加えた50 mLチューブを37°Cで30分振とうする。
⑥30分後に組織片が分散されていることを確認する。 30分後に組織片が分散されていることを確認する。
⑦30 mLのBasal mediumを加えて、セルストレーナー(メッシュサイズ:100 µm)を50 mLチューブにセットし、組織懸濁液を通す。
⑧遠心(400 g × 3分、室温)し、上清を除去する。
⑨30 mLのBasal mediumを加えて、ペレットを懸濁する。
⑩遠心(400 g × 3分、室温)し、上清を除去する。
⑪1 mLのBasal mediumを加えて懸濁する。
⑫一部を採取し、同量のTrypan Blue Solutionと混和して細胞を染色し、生細胞数をカウントする。
⑬48-well plateの1ウェルに2,000 - 5,000 cells播種するため、播種するウェル分の細胞を⑪から1.5 mLチューブに採取し、氷上におく。
⑭⑬の細胞懸濁液にMatrigel®を加えて細胞密度を100,000 - 250,000 cells/mL(2,000 - 5,000 cells/20 µL)に調製する。
⑮48-well plateに20 µLずつ播種してドームをつくる。
⑯37°Cインキュベーターで10~15分ほど加温してゲル化させる。
⑰250 µL/ウェルのOrganoid Growth Mediumを添加してインキュベーターで培養する。
⑱2-3日毎にOrganoid Growth Mediumで培地交換を行う。

※継代、凍結ストックの作製、起眠はヒト腸オルガノイド培養工程をご覧ください

マウス胆管オルガノイドの樹立例

上記プロトコルのとおり、マウス肝組織から調製した細胞懸濁液にMatrigel®を加え細胞密度2,000 cells/20 µLとなるように調製、プレートに播種し培養した結果、オルガノイドの形成が確認できた。

マウス胆管オルガノイドの樹立例
培養7日目の顕微鏡画像(倍率20倍)

その他の培養工程