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炎症/その他マーカー




Lactoferrin ELISA Kit

体液中Lactoferrinが増減する疾患の一部ラクトフェリンはトランスフェリンファミリーに属し、哺乳類の母乳・涙・汗・唾液などの外分泌液中に含まれる鉄結合性の糖タンパク質です。
ラクトフェリンは、
1. C型肝炎ウイルス(HCV)のエンベロープに結合することで標的細胞への浸入を阻害したり、ウイルスの複製を阻害する「抗ウイルス作用」
2. 鉄を奪い去ることで、鉄要求性細菌の増殖を抑制する「抗菌作用」
3. エンドトキシン(LPS)と強力に結合することにより、LPSのマクロファージへの結合を阻害し、炎症性サイトカインであるTNF-αやIL-6の産生を抑制する「抗炎症作用」
4. ナチュラルキラー細胞(NK細胞)の細胞障害作用の活性化等の「免疫調節作用」
5. 腫瘍細胞にアポトーシスを誘導したり、血管新生を阻害し腫瘍の増殖を防ぐ「抗腫瘍作用」
などの多くの機能が報告されており、哺乳類の先天性免疫システムの主要な因子です。例えば、抗炎症作用に着目すると、様々な体液中のラクトフェリンは、炎症マーカーとして考えられており、糞便ラクトフェリンは、クローン病、慢性炎症性大腸疾患 (IBD) といった腸の炎症を同定する際に、高感度で特異的なマーカーとして有用であることが報告されています。更に、ラクトフェリンとS100A8/A9複合体、ディフェンシン、エラスターゼ、MPO、I-FABPのようないくつかのマーカーとの組み合わせは、IBD を分類するのに有用であると報告されています。
また、ラクトフェリンは高温殺菌される前の牛乳(生乳)の中に大量に存在しています。
ラクトフェリンの経口摂取により、
1. ビフィズス菌の増殖作用
2. 貧血の改善
3. 内臓脂肪の低減
4. 変性LDL取り込み阻害による動脈硬化の予防
などの健康を維持・増進する作用も報告されており、乳製品やサプリメントでラクトフェリンを積極的に摂取することも注目されています。

CircuLex Bovine Lactoferrin ELISA Kit



14-3-3 Gamma ELISA Kit

クロイツフェルト·ヤコブ病(CJD)と他の神経変性疾患における脳脊髄液中の14-3-3 γ濃度の比較 14-3-3 タンパク質は、すべての真核細胞で発現が認められ、進化的に良く保存されている調節因子ファミリーです。哺乳類には、7つアイソフォームをコードする遺伝子が存在します。このファミリーは、多様な生理学的、病理学的プロセスを制御するシグナル伝達経路上の標的タンパク質の活性をダイナミックに制御します。14-3-3タンパク質の発現異常や14-3-3-標的タンパク質の相互作用の調節異常は、多くのヒト疾患の発症に関与しています。例えば、14-3-3タンパク質の発現増加と癌患者の予後の悪さ、生存率の低下に相関関係があることが報告されています。癌や神経学的症候群では、14-3-3のアイソフォームは、それぞれ別々に発現が制御されていることが報告されています。特に、γアイソフォーム (14-3-3γ) はクロイツフェルト・ヤコブ病患者の脳脊髄液中で上昇することが見出され、タウタンパク質と同様にこの疾患の特異的なマーカーになると考えられています。

CircuLex 14-3-3 Gamma ELISA Kit




DJ-1/PARK7 ELISA Kit

キット改良により感度がアップいたしました !
改良前 550 pg/mL ⇒ 改良後 8.4 pg/mL


dj1家族性パーキンソン病の原因遺伝子産物 (PARK7)と同一タンパク質であるDJ-1は、抗酸化ストレス因子、転写調節因子、プロテアーゼ、RNA結合タンパク質の調節サブユニット、分子シャペロンなど多岐にわたる機能を発揮する多機能因子であることが明らかにされています。特に、抗酸化ストレス因子としての機能に関して詳細な解析が行われています。DJ-1は、酸化ストレスを誘発させる薬剤により発現が上昇するばかりでなく、自己酸化されることで過酸化水素を消費します。この事実は、DJ-1は直接活性酸素の除去に関与する活性酸素スカベンジャーとして機能していることを強く示唆しています。家族性パーキンソン病患者に見られる種々のDJ-1遺伝子変異は、抗酸化ストレス機能の低下を引き起こすことが示されました。その他の疾患との関連では、脳梗塞が生じてから3時間以内にDJ-1濃度が上昇することが示され、脳梗塞初期の血中マーカーとして有用性が期待されています。また、DJ-1は、乳癌患者の半数近くで血中に検出され、そのうち何人かでは抗DJ-1自己抗体が存在することが報告されていることから、乳癌マーカーになると期待されています。

CircuLex Human DJ-1/PARK7 ELISA Kit Ver.2データ、旧バージョンとの比較

CircuLex Human DJ-1/PARK7 ELISA Kit Ver.2



ISG15 ELISA Kit

ISG15は2つのユビキチン相同ドメインを含むユビキチン様タンパク質で、細胞をI型インターフェロンで処理すると、様々なタンパク質に結合して修飾します。したがって、この修飾 (ISGylation) はI型インターフェロンのシグナル伝達に関与していると考えられています。ユビキチン化とは異なり、ISGylationはK48-結合型ユビキチン化によって調節されるようなタンパク質分解を引き起こしません。
またISG15は非結合型として細胞外でも見出すことができます。IFN-β処理によって、ヒトリンパ球および単球はフリーのISG15を放出することが報告されています。IFN刺激後24時間以内に、総ISG15の50%以上を培養液中で検出することができます。さらに、ISG15は多くの腫瘍および腫瘍細胞株で発現が上昇しており、細胞内タンパク質と広範に結合しています。腫瘍細胞でのISG15の増加レベルは、ポリユビキチン化タンパク質レベルの低下と相関していることが判明しています。

CircuLex Human ISG15 ELISA Kit
CircuLex Mouse ISG15 ELISA Kit




Fibulin-1 ELISA Kit

Fibulin-1は、細胞外マトリックス(ECM)タンパク質の7つの遺伝子ファミリーの中で最初に同定されたタンパク質です。Fibulin-1は広範な結合組織の細胞間に存在する分泌糖タンパク質で、血管壁においては平滑筋細胞を取り囲み、内皮細胞を裏打ちする弾性板とECM繊維の構成成分となっています。まだFibulin-1の正確な機能は解明されていませんが、多くのECMタンパク質、受容体および成長因子との結合を介して、細胞接着、細胞移動、増殖、悪性形質転換に関与することが示唆されています。
また、Fibulin-1は、血液中に高濃度に存在する稀なECMタンパク質の1つで、血漿Fibulin-1濃度は、血管手術を行った2型糖尿病患者や喘息患者において増加することが報告されています。

CircuLex Human Fibulin-1 ELISA Kit



High-Sensitivity CRP ELISA Kit

C-反応性タンパク質(CRP)は、肝臓で合成される5量体の急性相反応タンパク質で、その合成は主にIL-6で制御されています。血清CRP濃度は、感染、虚血、外傷、手術や他の急性炎症時に、最高1,000倍にまで増加し、敏感な全身的炎症マーカーとして利用されてきました。一方、急性炎症時とは異なり、通常状態における低濃度域でのCRP濃度の変動は、将来の心筋梗塞や脳卒中の危険性の予測に利用できるとともに、予後の悪い狭心症とも関連することが報告されています。CRPは、動脈硬化症、インスリン抵抗性、糖尿病、高脂血症を含む肥満および肥満関連疾患の危険因子であり、低濃度域でのCRP濃度の測定は、それら疾患の有用なマーカーとなることが示されています。

CircuLex High-Sensitivity CRP ELISA Kit   [使用文献]



Progranulin ELISA Kit

プログラニュリン(PGRN)は高度にグリコシル化された分泌タンパク質で、細胞増殖や腫瘍形成に関与する成長因子です。
PGRNは、tumor necrosis factor receptors (TNFR)へ結合して関節リウマチを抑制することが示されています。また、血中PGRNはⅡ型糖尿病患者で上昇することが報告されています。
ただ、PGRNの機能はまだ明確に解明されていません。

CircuLex Human Progranulin ELISA Kit



CIRP ELISA Kit

全身性の炎症に対する臨床応用への期待も高まっているDAMPsの一種CIRPを簡便かつ特異性高く評価可能なELISA Kitです。

特徴 ・操作が簡便 ・優れた特異性 ・広い測定レンジ ・安定した性能



傷害関連分子パターン(DAMPs)とは

内因性のDAMPsは構造や機能がさまざまであり、未解明の部分も残されています。こうした内因性分子は総称してalarminと呼ばれており、HMGB1、S100タンパク質、熱ショックタンパク質、ヒストン、ミトコンドリアDNAなどが知られています。

CIRPとは

Cold-inducible RNA-binding protein (CIRP)は、RNAシャペロンとしてmRNAの安定化と細胞質への輸送に関与しており、さまざまな組織に常に発現しています。低温ストレスに反応するcold shock proteinsのファミリーに含まれるタンパク質で、UV照射、低酸素などによっても発現レベルが上昇します。

全身性の炎症が起こるしくみ

全身性の炎症は、外来性の病原体関連分子パターン(PAMPs)あるいは内因性の傷害関連分子パターン(DAMPs)が、免疫細胞のパターン認識受容体(PRRs)によって認識されることにより細胞内シグナル伝達経路が活性化され、炎症性メディエーター(サイトカイン、ケモカイン、血管作動性ペプチドなど)が産生されることによって引き起こされます。

CIRPと炎症

最近の研究で、CIRPは細胞外に放出される炎症性メディエーターであり、免疫細胞のパターン認識受容体(PPRs)のうちのToll-like receptor 4(TLR4)を介して炎症反応を引き起こすDAMPsのひとつであることがわかってきました。また、表面プラズモン共鳴解析により、CIRPはTLR4/MD2複合体とも、それぞれの分子とも結合することを示唆する結果が報告されています。 CIRPを中和することなどにより重篤な全身性の炎症を緩和できるとして、臨床応用への期待も高まっており、CIRPはいま高く注目されている分子です。

CircuLex Mouse CIRP ELISA Kit
CircuLex Human CIRP ELISA Kit



Periostin ELISA Kit(販売終了)

■ ヒト血清中のperiostin濃度
  健常人(N=53), 中皮腫患者 (N=11)
ヒト血清中のperiostin濃度
Periostinは、ヒトのPOSTN遺伝子にコードされた、Osteoblast-specific factor 2 (OSF-2) とも呼ばれる細胞外マトリックスタンパク質のひとつです。αVβ3 インテグリンやαVβ5 インテグリンのリガンドとして機能し、上皮細胞の接着および遊走に関与します。Periostinはさまざまなタイプのがんで発現が亢進していることが知られていますが、Th2型サイトカインであるIL-4/IL-13によってその発現が誘導されることから、periostinレベルはTh2型アレルギー状態の指標としても注目されています。
その他にも、特発性間質性肺炎、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、全身性強皮症、胆管細胞癌、糖尿病性網膜症などで血中periostinレベルが上昇することが報告されています。



WFDC2/HE4 ELISA Kit

WFDC2 WFDC2 (WAP Fourdisulfide core domain protein 2)はHE4 (Human Epididymal Protein 4)とも呼ばれる、WAPドメインを持つ分泌タンパク質です。当初、精巣上体で発現するタンパク質として単離されましたが(1)、男性生殖器系、呼吸器、鼻咽頭の領域を含む種々の正常組織で発現していることが分かりました。またWFDC2は、卵巣がん、大腸がん、乳がん、肺がんなどの腫瘍細胞株において強く発現しており(2)、特に卵巣がんにおいては患者血清中にWFDC2の分泌が認められ(3)、卵巣がんのバイオマーカーとして欧州では既に利用されています(※)。また肺がん患者においても血清中のWFDC2濃度が健常人と比較して有意に高いことが報告されています(4)
※本キットは研究用試薬です。


■ 健常人血清中のWFDC2/HE4濃度
健常人血清中のWFDC2/HE4濃度

参考文献
  • Kirchhoff C et al., A major human epididymis-specific cDNA encodes a protein with sequence homology to extracellular proteinase inhibitors. Biol Reprod. 45, 350-357 (1991) PMID:1686187
  • Bingle L et al., The putative ovarian tumour marker gene HE4 (WFDC2), is expressed in normal tissues and undergoes complex alternative splicing to yield multiple protein isoforms. Oncogene. 21, 2768-2773 (2002) PMID:11965550
  • Hellström I et al., The HE4 (WFDC2) protein is a biomarker for ovarian carcinoma. Cancer Res. 63, 3695-3700 (2003) PMID:12839961
  • Iwahori K et al., Serum HE4 as a diagnostic and prognostic marker for lung cancer. Tumour Biol. 33, 1141-1149 (2012) PMID:22373583

CircuLex Human WFDC2/HE4 ELISA Kit