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脂質代謝関連試薬




Adiponectin ELISA Kit

Adiponectin生活習慣病(メタボリックシンドローム)は、肥満に伴い、糖尿病、高脂血症、高血圧が一個人に集積し、これにより動脈硬化などのリスクが高まった状態を指します。この成因に大きく関与する分子としてアディポネクチン (Adiponectin)が知られています。アディポネクチンは、脂肪細胞から分泌される生理活性物質アディポカインの一種で、インスリン感受性を亢進させる主要な“善玉”因子であることが報告されています。

アディポネクチン受容体は、AdipoR1とAdipoR2が知られており、AdipoR2は肝臓に強い発現が見られます。アディポネクチンは、これら受容体を介して、各器官のAMPK (AMP-activated protein kinase)とPPARα (Peroxisome proliferator-activated receptor α)を活性化させ、脂肪酸の燃焼やグルコースの取り込みを亢進させます。これによって、インスリン感受性が亢進し、メタボリックシンドロームを改善するための有用な因子となりえるだろうと考えられています。

CircuLex Human Adiponectin ELISA Kit   [使用文献]
CircuLex Mouse Adiponectin ELISA Kit   [使用文献]
CircuLex Rat Adiponectin ELISA Kit   [使用文献]
CircuLex Dog Adiponectin ELISA Kit   [使用文献]


Soluble LOX-1/OLR1 ELISA Kit

レクチン様・酸化LDL受容体1(LOX-1)は酸化低密度リポプロテイン(oxLDL)に対するタイプII膜貫通型受容体で、主に内皮細胞に存在します。LOX-1を介するoxLDLの取り込みが内皮細胞の機能不全を引き起こすことが示唆されています。この受容体は、高血圧、糖尿病、および脂質異常症の動物の大動脈に発現し、初期のアテローム性動脈硬化症部位において発現が亢進しています。これらの結果は、LOX-1が局所的に発現し、生体において、oxLDLの細胞への取り込みと分解によるアテローム性動脈硬化症の発症と炎症応答に重要な役割を果たしていることを示唆しています。 また、LOX-1は細胞表面から遊離し、可溶性LOX-1(sLOX-1)として放出されます。sLOX-1レベルの亢進は、動脈硬化性プラークの不安定性を示している可能性があります。

CircuLex Human soluble LOX-1/OLR1 ELISA Kit

RBP4 ELISA Kit

rbp4脂肪細胞から生産されるリポカリンファミリーメンバーであるRBP4、FABP4及びNGAL (Lipocalin2) は、動物モデルにおいて、全身のエネルギー恒常性、インスリン感受性、炎症の制御に重要な役割を果たすことが報告されています。RBP4を過剰発現するトランスジェニックマウスや、正常マウスにRBP4を注射するとインスリン抵抗性を惹き起こす一方で、RBP4遺伝子の欠失はインスリン感受性を高めます。肥満、耐糖能異常または2型糖尿病、そして2型糖尿病の家族歴がある非肥満の非糖尿病の人において、RBP4の血中濃度が、肥満度指数(BMI)、腰・ウエスト比、血清中脂肪濃度と収縮期血圧の増加、高比重リポタンパク質コレステロール(HDL)濃度の低下を含むメタボリックシンドロームの構成要素と正の相関を示すことが報告されています。

一方、脂肪細胞でのGLUT4タンパク質の発現レベルとRBP4の血中濃度は逆相関を示しました。RBP4の血中濃度を測定することは、糖尿病を発症する以前の段階においてインスリン抵抗性を特定することや、様々な臨床症状の患者における心血管系の危険度を捉えることに有用であると考えられます。

CircuLex Human RBP4 ELISA Kit

NAMPT/PBEF/Visfatin ELISA Kit and NAPT colorimetric Assay Kit

visfatin肥満と関連した糖尿病とそれに付随する代謝性疾患は、内臓脂肪組織体積の増加と関連しています。Visfatinは、内臓脂肪組織に発現し、分泌されるアディポサイトカインとして同定されました。Visfatinの血中濃度は、肥満の進行に伴い上昇しますが、インスリン受容体に直接結合するという当初報告されたVisfatinの機能は、現在では否定されています。Visfatinは、以前に報告されていたpre-B-cell colony enhancing factor (PBEF) と同一タンパク質であり、NAD+合成の律速酵素であるNAMPTとも同一のタンパク質であることが明らかにされました。Visfatin (extracellular NAMPT/PBEF) は既知の分泌シグナルを持たないにもかかわらず、その一部は、様々な炎症性サイトカイン刺激により細胞外に分泌され、それ自身も炎症性サイトカインとして機能することが報告されています。Visfatin/NAMPTの特異的阻害剤であるFK866は、多くの癌細胞株にNAD+枯渇をひきおこしアポトーシスを誘導することができることから、抗癌剤としての開発が進んでいます。
さらに、マウスを用いた関節リウマチの実験において、抗炎症作用を持つことが証明されており、Visfatin/NAMPT阻害剤は新しいタイプの抗炎症薬としても注目されています。

CycLex® NAMPT Colorimetric Assay Kit Ver.2
CircuLex Human NAMPT/PBEF ELISA Kit

AIM/CD5L/Spα ELISA Kit

AIMAIM (Apoptosis inhibitor of macrophage) /CD5L とも呼ばれるSpαは、リンパ系組織 (脾臓、リンパ節、胸腺、骨髄)に存在するマクロファージに発現する分子量38-40kDaの可溶性糖タンパク質です。Spαは、リンパ球表面受容体、なかでもCD5 とCD6 を含むスカベンジャー受容体システインリッチ(SRCR) ファミリーのグループBに属します。Spαは、骨髄単球性細胞やリンパ球様細胞だけでなくグラム陽性菌とグラム陰性菌の数種の菌株の表面にも結合できます。このことはSpαが、自然免疫と獲得免疫システムの制御に重要な役割を果たしていることを示唆しています。
また、AIM/CD5Lは、CD36を介して脂肪細胞中に取り込まれ、脂肪酸合成酵素 (Fatty acid synthase; FAS) の機能を抑制します。その結果、脂肪滴の融解が生じ、脂肪細胞が縮小します。

CircuLex Human AIM/CD5L/Spα ELISA Kit
CircuLex Mouse AIM/CD5L/Spα ELISA Kit

FABP4/A-FABP ELISA Kit

fabp4FABP4 (Fatty acid binding protein 4)は、aP2 (Adipocyte protein 2)や脂肪細胞特異的脂肪酸結合タンパク質 (A-FABP)とも呼ばれ、分化した脂肪細胞に発現している分子量15 kDa前後のタンパク質で、成熟脂肪細胞全タンパク質の6%を占める主要な細胞質タンパク質です。FABP4は、全身のインスリン感受性および脂質と糖代謝の重要な調節因子である可能性が報告されています。FABP4欠損マウスでは、食餌に起因する肥満や遺伝的な肥満の状況下で、高インスリン血症、高血糖、インスリン抵抗性の進行が抑制されます。

また、FABP4欠損マウスから調整した脂肪細胞は、生体内および試験管内で、脂肪分解の効率が顕著に減少し、脂肪酸放出は2~3倍の減少を示したことから、正常状態においてFABP4は脂肪酸の排出に関与していると考えられています。 また、アポリポタンパク質E欠損マウスに頻発するアテローム性動脈硬化症が、FABP4遺伝子の欠失によって顕著に回避されることも報告されています。FABP4は、代謝と炎症の経路に関与し、それらとメタボリックシンドロームを関連付ける鍵となっていることが明らかとなっています。

CircuLex Mouse FABP4/AFABP ELISA Kit
CircuLex Rat FABP4/AFABP ELISA Kit


FABP5/E-FABP/mal1 ELISA Kit

ヒト上皮脂肪酸結合タンパク質 (E-FABP、FABP5、マウスではmal1と呼ばれる) は、細胞内FABPのファミリーに属しており、分化した脂肪細胞、マクロファージ、皮膚、脳、乳腺などで発現しています。マウスFABP5/E-FABP/mal1はaP2 (マウスFABP4) と高い相同性があり、肥満関連疾患における重要なプレーヤーです。FABP5ノックアウトマウスは、インスリン刺激によるグルコース取り込みが亢進しており、全身のインスリン感受性が増加しています。一方、FABP5トランスジェニックマウスはインスリン抵抗性と高血糖が増悪しています。逆に、FABP4/ AP2-欠損マウスでは、代償作用により、脂肪細胞のFABP5/E-FABP/mal1発現が著しく亢進していることが観察されました。

CircuLex Mouse FABP5/E-FABP/mal1 ELISA Kit
CircuLex Human FABP5/E-FABP ELISA Kit