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ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC・SIRT)測定キット




ヒストン脱アセチル化酵素(Histone Deacetylase)はヌクレオソーム構造を変化させることにより、様々な遺伝子の発現を調節する重要な働きをしていると考えられています。また、細胞周期の進行、分化に関与しており、この調節が崩れることとある種の癌の発生とが関連していることが報告されています。トリコスタチンA (TSA) やスベロイラニリド・ハイドロザミック酸 (SAHA) などのヒストン脱アセチル化酵素阻害剤は抗腫瘍効果を有し、さらに細胞増殖を阻害し、最終分化を誘導すること、マウスモデルにおいて腫瘍の増大を抑えること、そして急性前骨髄性白血病の治療に効果的であることなどが報告されています。 このようにヒストン脱アセチル化酵素阻害剤は新規抗癌剤として期待されており、更に抗菌物質としての可能性も考えられています。新規のヒストン脱アセチル化酵素阻害剤の探索や酵素自体の生化学的解析のためにも、簡便なヒストン脱アセチル化酵素活性の測定系が必要とされています。

◎操作が簡便で、安定性、再現性が優れています。
◎高感度で測定可能です。
◎B/F分離を必要としないホモジーニアスなアッセイ系です。
◎大規模なドラッグスクリーニングにも最適です。
◎放射能、毒物、劇物などを一切使用していません。
◎HDAC/Sir2の酵素活性を明瞭に区別できます。

HDAC Deacetylase Fluorometric Assay Kit

Ver.2新発売!ready-to-useで簡便にご利用いただけます。

クラスIヒストン脱アセチル化酵素群HDACs (HDAC1、2、3、および8)は、酵母RPD3と相同性を持ち、普遍的に発現しています。これらのHDACsは、癌抑制遺伝子産物Rbなどと結合し転写抑制を担っています。細胞内では、ヒストンは低アセチル化状態にあり、HDACsの作用は広範かつ強力であると考えられます。HDAC阻害物質は抗癌剤として期待されており、その探索や臨床開発が活発に行われています。HDAC8は、HDAC1やHDAC3とは43%しか相同性がなく、既存のHDAC阻害剤のHDAC8に対する選択性はHDAC1やHDAC3とは異なっていることが報告されています。HDAC8もヒト腫瘍細胞株の増殖に重要であり、このサブタイプに選択的な阻害剤は新しい抗癌剤として有望であると考えられています。 株式会社サイクレックスは、世界に先駆けペプチダーゼのペプチド分解活性がリジン残基のアセチル化によって変化することを利用してアセチル化/脱アセチル化酵素活性を測定できることを見出し、日本、ヨーロッパおよび米国特許を取得しました。

日本国特許第 4267043
米国特許番号 7033778
米国特許番号 7256013
ヨーロッパ特許番号 1243658
カナダ特許番号 CA 2392711

HDAC

製品リスト

製品使用文献




SIRT Deacetylase Fluorometric Assay Kit

Ver.2新発売!ready-to-useで簡便にご利用いただけます。

ヒストン脱アセチル化酵素は、クラスI、II、IIIの3つのファミリーに分類されています。クラスIIIに属するSir2/SIRTファミリーは、クラスIやIIとは異なり、トリコスタチンA に非感受性であり、酵素の活性化にはNAD+ (Nicotinamide adenine dinucleotide)を必要とします。SIRTファミリーの活性を制御する薬剤は、種々の疾患治療薬として期待されています。SIRT1は核に局在し、p53、NF-κB、forkhead転写調節因子およびヒストンを脱アセチル化します。また、酸化還元状態に対応して筋肉分化の抑制に関与することが報告されています。SIRT3は、そのN末 端の25アミノ酸残基を介してミトコンドリアに局在します。不活性型のタンパク質として合成された後、ミトコンドリアマトリクスでペプチダーゼ処理され、28 kDaの活性化型酵素に変換されることが報告されています。

SIRT

〜SIRT1とResveratrol のから騒ぎについて〜
CycLex SIRT1 Deacetylase Fluorometric Assay Kit では、他社製品を用いて報告されてきた Resveratrol によるアーティファクトである脱アセチル化酵素活性の上昇作用は検出されません。これは、CycLex社独自のアセチル化基質ペプチドのデザインとその採用によるものであり、本製品を用いることによりSIRT1本来の脱アセチル化酵素活性を正確に測定できることを示唆しています。本製品は、SIRT1 の活性化物質や阻害物質のスクリーニングに適していると考えられます。(ただし、全ての化合物や薬剤によるアーティファクトが生じないことを保証するものではありません。)