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DNAメチル化とは?


DNAメチル化とは

DNAメチル化は、ほとんどがシトシン(C)で生じ、遺伝子発現を抑制します。特に、CGという配列が集中して存在する領域(CpGアイランド)の70%−80%程度のシトシンがメチル化されています。遺伝子プロモーター領域のCpGアイランドは、最初はメチル化されていないことが多いですが、発生や分化に伴ってメチル化を受け、遺伝子発現が抑制されます。がん細胞では、がん抑制遺伝子の発現がCpGアイランドの異常なメチル化によって抑制されています。

MBDタンパク質による転写抑制

DNAのメチル化によって転写因子の結合が阻害されますが、さらにメチル化DNAを特異的に認識するタンパク質によって、転写不活性なクロマチン状態が形成されることにより、より安定的に遺伝子発現が抑制されます。このようなタンパク質のメチル化DNA結合ドメインとして、最初に同定されたドメインが、MBD(Methyl-CpG-binding domain)です。MBDをもつタンパク質(MBDタンパク質)は、ヒストン脱アセチル化酵素(HDACやSIRTなど)や、ヒストンH3の9番目のリジンをメチル化する酵素などと相互作用し、クロマチン凝集を引き起こすことで、転写を抑制します(図.メチル化DNA・MBDタンパク質・HDACによるクロマチン構造の変化)。哺乳類では、MeCP2、MBD1、MBD2、MBD4の、4種類のMBDタンパク質があります。

メチル化DNA・MBDタンパク質・HDACによるクロマチン構造の変化

メチル化DNA・MBDタンパク質・HDACによるクロマチン構造の変化

DNAやヒストンの修飾が次世代の細胞に受け継がれるメカニズム

DNAやヒストンの修飾は、核酸修飾酵素などの働きによって、細胞が分裂しても引き継がれていきます。 DNA複製直後、鋳型となった元のDNA鎖はメチル化されていますが、新生されたDNA鎖ではまだメチル化されていません(ヘミメチル化)。このヘミメチル化二本鎖DNAに、UHRF1やDNMT1などのタンパク質が結合して、新生鎖を鋳型鎖と同様にメチル化します。このようなメチル化パターンの継承をDNAの維持メチル化といいます(図.複製後のDNAメチル化パターンの継承)。さらに、DNAに結合するヒストン量も2倍に増え、ヒストン修飾も受け継がれます。

複製後のDNAメチル化パターンの継承

複製後のDNAメチル化パターンの継承

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