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FlucDEUX™
(Fluctuation Dual Emission Uni-laser eXcitation)


分子間相互作用解析FCS/FCCSユニット

  • 液相中での分子間相互作用解析が可能
  • FCS モード、FCCS モードの両方で解析が可能
  • わずかなサンプル量で測定可能
 

FCSモードでのタンパク質間相互作用の観察報告例⇒
機器仕様⇒  


とは

 FlucDEUX™ (Fluctuation Dual Emission Uni-laser eXcitation; フラックドゥー)とは、FCCSによる分子間相互作用測定ユニットです。
 一般的なFCCSによる測定においては、使用される2種類の蛍光色素をそれぞれ適した波長を持つレーザー光により励起を行います。この場合2種類のレーザー光による励起光領域の一致性が、FCCS測定の結果に大きく影響を与えてしまいます。
 しかし、CoralHue® Keima-Redのようなストークスシフトの大きな蛍光タンパク質を利用することにより1種類のレーザー励起によるFCCS測定が可能となりました。
 FlucDEUX™は1本のレーザー(uni-laser excitation)と2色同時検出(dual emission)によりそれぞれの揺らぎ(fluctuation)を測定するため、CoralHue® Keima-Red を用いたFCCS測定に最適です。

CoralHue® 蛍光タンパクシリーズは独立行政法人 理化学研究所 脳科学総合研究センター 細胞機能探索技術開発チーム(宮脇敦史チームリーダー)との共同研究で開発されたものであり、MBLが実施権を有し販売しております。

蛍光相関分光法(Fluorescence Correlation Spectroscopy; FCS )とは

蛍光標識された分子のブラウン運動は、分子を非常に希薄にするとともに、観測領域を非常に小さい領域に限定することで、蛍光シグナルのゆらぎとして測定することができます。FCS法は、その蛍光シグナルのゆらぎから分子の移動速度(Diffusion Time)を測定する方法です。Diffusion Time の変化を測定することで分子間の相互作用を検出することが可能です。
FCS_Fig

蛍光相互相関分光法(Fluorescence Cross Correlation Spectroscopy; FCCS)とは

FCCS 法は二種類の蛍光標識された分子を同時にFCS 測定することで、二種類の分子の時間的・空間的同時性も測定する方法です。同時性の変化を測定することで分子間相互作用を検出することが可能です。相互作用によるDiffusion Time の変化が小さく、FCS 法では感度が得られないような標的にも適応可能です。
FCS_Fig

測定法まとめ

測定法 メリット デメリット FlucDEUXで分かる事
FCS ・蛍光標識が一方のみで簡便 ・相互作用する相手方が特定できない。
・相互作用前後の分子量の変化が大きい必要がある(原理上は8 倍以上)
・Kd 値
・蛍光標識した分子の拡散定数
(Diffusion Time)
・一分子あたりの蛍光強度
(Counts Per Particle)
FCCS ・直接的な相互作用解析が可能
・分子量の差は問わない
・蛍光標識を両方する必要がある ・相互作用している分子の割合
・蛍光標識した分子の拡散定数
(Diffusion Time)
・一分子あたりの蛍光強度
(Counts Per Particle)

FCSモードでのタンパク質間相互作用の観察報告例

名古屋大学遺伝子実験施設 学術振興会特別研究員(RPD) 村上 怜子 先生


■ 解析目的
多くの生物は様々な活性を24時間周期で自律的に振動させています。このリズムを制御する細胞内の分子機構が『生物時計』です。藍色細菌の生物時計分子装置はKaiA、KaiBおよびKaiCから構成されています。これらの3つのKaiタンパク質が相互に作用することにより、KaiABC分子装置は時間振動を発振することがわかっています。しかし、その詳細は不明です。そこで、KaiB-KaiC間相互作用をFCS測定で解析しました。

■ 材料と方法
野生型KaiB(KaiBWT)とC末端の14アミノ酸を欠失させた変異体KaiB(KaiB1-94)をそれぞれ蛍光色素で化学修飾し、FlucDEUX™を使用してKaiCとの相互作用を観察しました。FCS測定では、信号の揺らぎから標識分子が観測領域を通過する平均時間である拡散定数(Diffusion time: DT) および1粒子あたりの蛍光値(Counts per particles: CPP) を算出しました。

■ 結果
KaiBWTでは、KaiCの添加によってDTが増加しましたが、CPPは変化が見られませんでした。一方、KaiB1-94では、DTの増加に加えCPPの増加が見られました(図1)。これらの結果より、1分子のKaiC(6量体)に対して、KaiBWT(4量体)は1分子、KaiB1-94(2量体)は2分子が相互作用することがわかりました。
また、KaiCと複合体を形成する時計関連タンパク質SasAが、KaiB-KaiC間相互作用にどのように影響するかをFCS測定によって調べました。その結果、SasAの濃度が上がるにつれてKaiBのDT が低下し、KaiB-KaiC間相互作用が阻害されることが示されました(図2)。

Fig1
図1: KaiBWTとKaiB1-94のKaiCとの相互作用の検出
蛍光色素(Cy3)で修飾した0.1 μM KaiBWTとKaiB1-94に、0、0.025、0.05、0.15、0.30 μM変異体KaiC (KaiCDD: リン酸化状態をまねていると考えられるKaiC) を添加し、FlucDEUX™によって相互作用を検出しました。どちらもKaiCの添加量が増えるにつれDTが増加し、相互作用が観察されました。KaiB1-94では、KaiCの添加に伴ってCPPが約2倍になり、 KaiB-KaiC複合体には2分子のKaiB1-94が含まれていることが示唆されました。

Fig2
図2: SasAによるKaiB-KaiC複合体形成の阻害
Cy3で修飾した0.1 μM KaiBと0.1 μM KaiCDD、0、0.05、 0.10、 0.30 μM SasAを保温し、FlucDEUX™によって相互作用を検出しました。SasAの添加量が増えるにつれKaiBのDTが低下し、KaiB-KaiC複合体の解離が示されました。

■ 考察とまとめ
FlucDEUX™を用いたFCS測定では、検出に必要なタンパク質濃度が低く、必要タンパク質の溶液量が少ないため、様々な条件でKaiタンパク質間相互作用を検証することができました。また、KaiBWTとKaiB1-94をそれぞれ添加した場合のCPPの変化を比較することによって、KaiCに対する両者の結合量の違いを明らかにすることができました。
今後、KaiABC分子装置が時間振動するために、3つのKaiタンパク質がどのように相互作用するかを解析していきたいと考えています。

■ 文献
Murakami R, et al., J. Biol. Chem. 287: 29506-15. 2012

機器仕様

  項目 単位
ディテクション
ユニット
入力電圧 100 to 240 V ac
入力周波数 50 / 60 Hz
消費電力 160 VA
レーザ タイプ LD励起固体レーザ
波長 445 nm
最大出力 1 mW
センサー タイプ 高検出効率フォトンカウンティグヘッド(GaAsP光電面)
量子効率(QE at 550nm) 40 %
カウントリニアリティ(1) 1.5 M 1/s
ダークカウント < 100 1/s
分解能 70 ns
対物レンズ タイプ UApo40X W/340 NA=1.15水浸(OLYMPUS)
倍率 40
N.A 1.15 -
作動距離 0.23 mm
適応カバーガラス厚 0.13 - 0.18 mm
ピンホール(固定)[Ch1 / Ch2] 25 um dia.
動作温度範囲(2) 0 to +30
動作湿度範囲(2) 30 to 80 % Rh
保証動作温度範囲(2) +5 to +30
保証動作湿度範囲(2) 30 to 80 % Rh
保管温度範囲(2) -20 to +50
保管湿度範囲(2) 10 to 80 % Rh
大きさ(突起部などを除く) 157(W)~552(D)~291(H) mm
質量 約14 kg
デジタル
計算機
消費電力 5 V 1.5 A以下(PCIバスより供給) -
チャンネル数 2 -
信号入力レベル TTL正論理 -
信号パルス幅 >8 ns
入力インピーダンス 50 Ω
バスI/F PCIバスI/F Rev 2.1に準拠
対応OS Microsoft Windows XPpro/Vista Business
外形寸法 PCI規格 ショートサイズ/174.6 mm×106.7 mm (但し、プラケット及び突起物は除く)
質量(約) 75 g
コンピュータ コンピュータ機種(機種名) DOS/V デスクトップ
サポートOS Windows Vista Business
動作環境 PCIバスポートを搭載したDOS/VマシンでCPUがPentium4,クロック2.0 GHz以上 2 Gバイト 以上のメモリ
サンプル
容器
指定サンプル容器 弊社製 マイクロウェルスライド

(1):ランダムパルス、カウント損失10%時 / (2):結露しないこと

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