Analysis of mRNA and Protein Expression Profiles of Core Circadian Genes
株式会社 医学生物学研究所 (MBL)
松澤 峻, 中村 仁美, 高島 貴子, 石川 典子, 岸 義朗
概要
これまで概日遺伝子の発現解析は、主にqRT-PCRを用いたmRNAの定量により行われてきた。しかしながら、概日リズムの分子メカニズムを理解する上で、遺伝子の機能実体であるタンパク質の発現量、さらにはリン酸化やユビキチン化などの翻訳後修飾による機能制御の解析は不可欠である。実際、コアループに属する概日遺伝子タンパク質の翻訳後修飾が報告されており、たとえば、PERのリン酸化及びユビキチン化、CRYのユビキチン化などが知られている。
我々は概日コアループ因子(Per1及び2, Cry1及び2, Chrono)に対する特異的抗体を作製することに成功した。今回、これらタンパク質の発現量を経時的に観察するとともに、mRNA発現量との比較分析を行ったので報告する。
手法
飼育 |
サンプリング |
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遺伝子発現解析 |
* Relative mRNA levels are normalized to Gapdh mRNA. qRT-PCR data are means ± SEM (n=2).
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結果
結論
タンパク質を対象とした研究の重要性を示唆
時間によるタンパク質の量だけでなく、タンパク質の翻訳後修飾によるバンドの変化が多く認められた(Bmal1, Per1, Per2, E4bp4, Dbp)。
これらはmRNA量の変動ではモニタリング出来ない発現調節であり、タンパク質を対象とした研究の重要性が強く示唆された。
謝辞
Gapdh, Cry2, Bmal1, Clock, Per1, Per2, Dbp, E4bp4, Rev-erb α, Rev-erb βプライマー配列は、上田 泰己 先生(理化学研究所 生命システム研究センター)よりご提供いただきました。