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WT1テトラマーを用いた染色例



Mouse class I Tetramer使用例

マウス WT1 Tetramer特異的CTLの誘導

Wilms腫瘍因子WT1は、成長因子などの転写を制御する転写因子です。WT1遺伝子は、白血病や種々の固形癌で高発現しており、その発症、進行に関与することが知られています。WT1特異的CTLは、WT1発現量の高いがん細胞を傷害し、正常細胞は傷害しないことが示されており、既にWT1を用いた臨床試験が開始されています。WT1は免疫療法のターゲット分子として注目されているがん抗原のひとつです。
以下に、C57BL/6マウス2個体におけるペプチド免疫とその後の培養、 in vitro stimulationに伴うH-2Db WT1 Tetramer(Code No. TS-M504-1)陽性率の推移を示します。図中右上の数値は、CD8陽性細胞中のテトラマー陽性細胞率(%)を示します。


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がん抗原由来の特異的CTLを誘導したい場合や、その他の抗原であっても、場合によっては、1回のペプチド刺激(in vitro stimulation)では充分量のTetramer陽性細胞を得ることが難しい場合があります。ペプチドで2回目の刺激を加えることにより、特異的CTLを増幅できる事もありますが、ペプチドがMHC class I分子に提示され、特異的CTLが細胞傷害性活性を示すことで、<day 14>に示すようにCD8陰性細胞のほとんどが激減することが多くなります。また、使用するペプチド濃度が濃い場合は特異的CTL同士の殺傷により陽性率が著しく低下する事もあります。この様な現象を避けたい場合、2回目のペプチド刺激には、ペプチドをパルスした抗原提示細胞を利用することをお勧めします。