エプスタインバーウイルス(EBV)は、腫瘍に関係があることが分かった最初のヒト・ウイルスです。EBV感染が原因と考えられているがんは、バーキットリンパ腫、ホジキンリンパ腫、鼻咽頭癌、胃癌などが挙げられます。また、EBVは複数の免疫不全疾患にも深く関わっており、EBVを標的とした免疫療法が広く研究されています。
LMP2は多くのEBV関連腫瘍で恒常的に発現しており、免疫療法の魅力的な標的と考えられています。近年、EBV株のウイルスゲノム塩基配列の多様性が明らかになり、疾患病原性との関連が注目されています。EBV株の多様性に起因するCTLエピトープのアミノ酸変異は免疫応答の低下や免疫逃避を引き起こす原因とも考えられています。
LMP2 419-427は、さまざまなEBVの系統のなかで変異が認められるエピトープです。
EBV95.8プロトタイプ・シーケンスと比較して、高い点変異率(TYGPVFMCL→TYGPVFMSL)が、多くの鼻咽頭癌患者で見つかっています。
EBV保因者のHLA24*02属性の健常人末梢血よりPBMCを分離し、2週間、TYGPVFMSLもしくはTYGPVFMCL peptide で刺激しています。
T-Select HLA-A*24:02 EBV Tetramerには、5種類のエピトープに対する試薬がラインナップされています(下段)。そして、T-Select HLA-A*24:02 EBV mix Tetramer(Code No. TS-M009-1, 上段左)にはこれら5種類の試薬がミックスされており、1本の試薬で5種類のEBV特異的CTLが染色できます。各エピトープの反応性には個人差があり、EBV mixで検出された陽性像がどのエピトープに由来するものかは、5種類のテトラマーで染色することにより知ることができます。
( )の数字はHLA-A*24:02陽性健常人末梢血で、採血直後に各テトラマーにより陽性が検出された人数を示します。(陽性検出者数/検討者総数)
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