ペプチグロース社の成長因子代替ペプチド

ペプチグロース社の「成長因子代替ペプチド」は、生物・細胞を用いず完全化学合成で製造されるため、従来の成長因子が抱えるさまざまな課題をクリアしています。
製造ロット間で品質にバラつきがないことから実験データの再現性が高く、不純物管理もハンドリングも容易な製品を適正価格で提供することにより、再生医療・細胞治療の研究開発・製造の大幅な効率化とコストダウンに貢献します。

pg-002

TGFβ1阻害ペプチド[PG-002]

特長

既存の低分子阻害剤(キナーゼ阻害剤)は細胞内で作用する必要性や、その特異性に問題があり、中和抗体は高価かつアニマルフリー証明が難しいなどの課題を抱えています。ペプチグロースの「PG-002」は、細胞外でTGFβ1リガンドに結合し、阻害活性を発揮する特殊ペプチドです。完全化学合成で製造されるため、アニマルフリー証明の提供が可能です。

TGFβ1シグナルの阻害方法

試験データ

定量的ルシフェラーゼレポーターアッセイ

中和抗体(市販品)との比較

TGFβ1に対する阻害活性をSBEルシフェラーゼレポーターアッセイにて測定した結果、0.13 nMのTGFβ1に対して「PG-002」は10 nMで100 %の阻害活性を持ち、市販の中和抗体と同等の阻害活性を持つことが分かりました。
オフターゲットパネルアッセイにて主要なシグナル経路を阻害しないことも確認しております。培養においてTGFβ1の中和が必要な場合に効果を発揮します。

製品使用例

ヒト胎児由来小腸オルガノイドにおけるTGFβ阻害剤A83-01の代替品としての使用例

ヒト胎児由来の小腸オルガノイド培養において、TGFβ阻害剤A83-01 500 nMまたはPG-002 50 nM添加時の培養7日目のオルガノイドの形態、増殖、細胞マーカーの遺伝子発現をそれぞれ評価しました。 なお、オルガノイド培養時の培地組成は文献を参考に調製しました。     

*Fujii, M. et al. Cell Stem Cell. (2018) [PMID: 30526881]


オルガノイドの形態

明視野でオルガノイドの形態を観察した結果、A83-01とPG-002の添加培養で差異はなく、PG-002を添加することでA83-01添加時と同様の形態の小腸オルガノイドが形成されました。



オルガノイドの増殖

ATPアッセイによりオルガノイドの生細胞数を測定した結果、A83-01とPG-002の添加培養で差異はなく、PG-002はA83-01と同様に小腸オルガノイドを増殖・維持することが確認できました。



細胞マーカーの遺伝子発現解析

小腸オルガノイドは、幹細胞、パネート細胞、杯細胞などの細胞で構成されています。A83-01とPG-002添加培養時の小腸オルガノイドにおける発現細胞を確認するため、各細胞マーカーの遺伝子発現を解析しました。
その結果、A83-01とPG-002の添加培養で幹細胞マーカーおよび各分化細胞マーカーが同様に発現していることが確認できました。

製品リスト

Code No. 製品名 形状 包装
PG002-0010 TGFβ1 inhibitor (TGFβ1 binding peptide) 凍結乾燥品 10 µg
PG002-0100 TGFβ1 inhibitor (TGFβ1 binding peptide) 凍結乾燥品 100 µg
本製品は研究用です。診断および治療目的には使用いただけません。

本製品の使用に際して

本製品のオルガノイドを用いた研究は、試験研究を目的とした使用のみ認められています。それ以外の目的での利用や転売は禁止されております。試験研究以外を目的とした使用には以下のような事例が挙げられます。以下のような事項をご検討される方は、下記担当までお問い合わせいただきますようお願いいたします。

【お問い合わせ先 】
JSR株式会社 知的財産部
お問い合わせはこちら

    事項)
  • ペプチドを利用して培養したオルガノイドを治療・診断・予防等の医療用途での使用する場合。
  • ペプチドを利用して培養したオルガノイドの製造・販売または関連サービスを行う場合。
  • ペプチドを利用して培養したオルガノイドを標的探索スクリーニング、創薬スクリーニング、薬効・毒性・薬物動態・効能評価試験等のサービスに使用する場合。
  • ペプチドを利用して培養したオルガノイドを社内の標的探索スクリーニング、創薬スクリーニング、薬効・毒性・薬物動態・効能評価試験に使用する場合。

ペプチグロース株式会社について

ぺプチグロース社ロゴ

ペプチグロース株式会社は、2020年に三菱商事株式会社とペプチドリーム株式会社の合弁企業として設立されました。
ぺプチグロース株式会社は、株主であるペプチドリーム株式会社が持つ独自技術を活用し、従来の成長因子やサイトカインと同様の活性を持つ「成長因子代替ペプチド」の開発を進めています。
「成長因子代替ペプチド」は、生物・細胞を用いず完全化学合成で製造されるため、従来の成長因子が抱えるさまざまな課題をクリアしています。
製造ロット間で品質にバラつきがないことから実験データの再現性が高く、不純物管理もハンドリングも容易な製品を適正価格で提供することにより、再生医療・細胞治療の研究開発・製造の大幅な効率化とコストダウンに貢献します。