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蛍光タンパク Keima-Red

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一般的なご質問


Autophagy Detectionに関するご質問



一般的なご質問-ご回答

  1. Keima-Redの特徴を教えてください。

    コモンサンゴ(Montipora. sp)よりクローニングされた蛍光タンパク質です。
    大きなストークスシフト(励起ピークと蛍光ピークの差)を持つため、細胞などの自家蛍光の影響を受けにくく、また、他の蛍光タンパク質と組み合わせてマルチカラーイメージングにも利用できます。
  2. Keima-Redの励起波長と蛍光波長を教えてください。

    蛍光波長のピークは620 nmです。
    励起波長はpHによってピークが変化します。
    pH 6以上では440 nm、pH 5以下では586 nmが励起ピークです。

  3. Keima-Redの検出に適切なレーザーやフィルターのセットを教えてください。

    レーザー:
    Argon laser (458 nm)
    He/Ne laser (543 nm)

    フィルターセット(弊社使用):
    For peak at 440 nm
    Ex:440AF21, Em:610ALP, DM:590DRLP
    For peak at 586 nm
    Ex:550DF30, Em:610ALP, DM:590DRLP
  4. Keima-Redの明るさはどのくらいですか?

    蛍光輝度を”モル吸光係数*量子収率/1000”として算出すると、
    ・モノマー:3.456
     モル吸光係数14,400(中性pH時に440 nmで励起)
     量子収率0.24
    ・ダイマー:7.626
     モル吸光係数24,600(中性pH時に440 nmで励起)
     量子収率0.31
    となります。

    蛍光輝度は高くありませんが、>pH 6で使用する場合Keima-Redはストークスシフト(励起ピークと蛍光ピークの位置間の差)が大きいため、細胞の自家蛍光を避けることができ、低バックグラウンドで検出することが可能です。
    なお、マイトファジーの検出系ではモノマー(mKeima-Red)を使用しています。
  5. Keima-RedはDsRedの様にマチュレーションの過程でGreenの蛍光を発することはありますか?

    ありません。
    マルチカラ―イメージング時に、GreenのチャネルにKeimaの蛍光が漏れ込まずに観察する事ができます。
  6. Keima-Redに細胞毒性はありますか?

    Keima-Redの細胞毒性について現時点では報告されておりません。弊社にて安定発現細胞株を取得した実績があります。
  7. ライセンス確認書はどのような時に必要ですか?

    非営利機関にご所属で非営利研究目的に使用される場合、ライセンス確認書に同意のうえ、署名を頂く必要があります。
    >> 詳細はこちらをご確認ください。

    営利機関、非営利機関を問わず、営利目的・商用目的でご使用される場合は、購入時にライセンス契約が必要となります。
    >> 詳細についてはお問い合わせください。

  8. Keima-Redの発現を確認したいのですが、Keima-Redを検出する抗体はありますか?

    以下のような抗体を取り扱っています。
    >> Keima-Red 検出抗体一覧

Autophagy Detectionに関するご質問-ご回答

  1. なぜ、Keima-Redを利用してオートファジーを検出することが可能なのですか?

    Keima-Redはリソソーム融合時のpHの変化をモニタリングすることが可能なため、ミクロオートファジー、Atg5非依存性オートファジーなど幅広いオートファジーの検出に有用です。

    Katayama H. et al., Chem Biol. 18, 1042-1052 (2011) PMID:21867919

  2. Keima-Redを一過的に発現させた細胞株でオートファジーを検出できますか?

    一過性発現によるマイトファジーの検出は
    >> こちらをご参照ください。


    一方で、より定量的な解析を実施される場合は、安定発現細胞株の樹立を推奨しております。
    >> 詳細はこちらをご参照ください。
  3. Keima-Redを利用して、オートファジーを検出した実績のある細胞を教えてください。

    使用実績のある細胞につきましては、以下の論文をご参照ください。

    Primary cortical neuron

    Choubey V. et al., BECN1 is involved in the initiation of mitophagy: It facilitates PARK2 translocation to mitochondria. Autophagy 10, 1105–1119 (2014).
    PMID: 24879156


    Primary cortical neuron

    Safiulina D. & Kaasik, A. Energetic and Dynamic: How Mitochondria Meet Neuronal Energy Demands. PLoS Biol 11, e1001755 (2013).
    PMID: 24391475


    iPSC derived DA neuron

    Suzuki S. et. al., Efficient induction of dopaminergic neuron differentiation from induced pluripotent stem cells reveals impaired mitophagy in PARK2 neurons. Biochem Biophys Res Commun. 2017 Jan 29;483(1):88-93.
    PMID: 28057485


    Neuro-2a

    Togashi K. et al., Na+/H+ Exchangers Induce Autophagy in Neurons and Inhibit Polyglutamine-Induced Aggregate Formation. PLoS ONE 8, e81313 (2013).
    PMID: 24278418


    HeLa

    Narendra D.P. et al., PINK1 rendered temperature sensitive by disease-associated and engineered mutations. Hum. Mol. Genet. ddt106 (2013).
    PMID: 23459931


    Cultured hippocampal neurons

    Bingol B. et al., The mitochondrial deubiquitinase USP30 opposes parkin-mediated mitophagy. Nature 510, 370–375 (2014).
    PMID: 24896179


    なお、哺乳類以外の細胞では実績がございません。
  4. Keima-Redを利用して、オートファジーを検出するためのプロトコルを教えてください。

    弊社では下記のプロトコルにてデータを取得しております。

    mtKeima-Red mPark2 Stable HEK293 (DMEM, 10%FBS) を1x10^4 cells/wellとなるように96well plate(BD Falcon#353948)に播種

    翌日、DMSOに溶解したCCCP (30mM) を用いて終濃度40 uM、2倍希釈系列を7点、Negative controlとしてDMSOをCCCPを添加したwellと等量になるように添加

    24時間後、IN Cell Analyzerで画像データ取得

    解析ソフト(MetaMorph)で定量化
  5. 細胞を固定して観察できますか?

    固定液がリソソームに浸透するとpH勾配が失われるため、細胞は固定できません。

    Katayama H. et al., Chem Biol. 18, 1042-1052 (2011) PMID:21867919

  6. pMitophagy Keima-red mPark2ベクターでParkinを共発現させるのはなぜですか?

    Parkinはマイトファジーに必要な因子です。内在性Park2の発現量が少ない細胞を用いてマイトファジーの測定をされる場合にParkinの発現が有効な手段となります。
    pMitophagy Keima-Red mPark2ベクターは、IRES制御下において単一のコンストラクトからバイシストロニックに発現するよう設計されています。そのため、Co-transfectionの必要が無く、イメージング解析及び定量解析の利便性が向上しました。
  7. 神経系の細胞を使用する場合、pMitophagy Keima-Red mPark2ベクターを使用する必要はありますか?

    内在性のPark2が十分量発現しており、外来性のPark2を導入する必要が無いと考えられる場合は、Park2を導入しないアッセイ系をお試しください。
    なお、オートファジー研究で頻用されるMEFは繊維芽細胞であり内在性Park2の発現量は非常に低く、MT-mKeima-Redでマイトファジーを観察するには外来性Park2導入が必要になります。

    Yoshii S.R. et al., JBC. 286, 19630-19640 (2011) PMID:21454557

  8. マイトファジーを定量化する方法を教えてください。

    画像解析ソフトを用いて、440 nmで励起して得た画像と586 nmで励起して得た画像それぞれからバックグラウンドの蛍光強度を差し引き、「586 nmで励起した際の蛍光強度/440 nmで励起した際の蛍光強度」の比を算出します。Ratioが大きいほど、マイトファジーが亢進していることを示しています。

     

  9. フローサイトメーターでマイトファジーを測定できますか?

    以下の論文をご参照ください。

    iPSC derived DA neuron

    Suzuki, S. et. al., Efficient induction of dopaminergic neuron differentiation from induced pluripotent stem cells reveals impaired mitophagy in PARK2 neurons. Biochem Biophys Res Commun. 2017 Jan 29;483(1):88-93.
    PMID: 28057485