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RNA修飾抗体





RNAは生体内で様々な修飾を受けることが明らかになっており、現在までに100種類以上の修飾が報告されています。MBLではメチル化修飾のRNAを中心に、修飾RNAに対する抗体と修飾酵素に対する抗体のラインナップを揃えています。

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RNA修飾抗体
修飾酵素/脱修飾酵素抗体
RNA修飾
略称
1-メチルアデノシン m1A TRMT6
N6-メチルアデノシン m6A ALKBH5
YTHDF2
HNRNPC
7-メチルグアノシンキャップ m7G-Cap, 5'-Cap RNMT
7-メチルグアノシン m7G -
2,2,7-トリメチルグアノシン m3G -
 5-メチルシチジン  m5C NSUN2 
シュードウリジン Ψ -
イノシン I -
2-O'-メチル化 - HEMNT1
メチル化 - AHCY

抗1-methyladenosine (m1A) 抗体

1-メチルアデノシン (m1A)はtRNAやrRNAで認められる修飾ヌクレオシドです。がんなどの疾患や酸化ストレス下では血中や尿中に修飾ヌクレオシド単体で多く検出されます。本抗体を用いて、m1Aの酸化ストレスマーカーとしての有用性が検討されています。 また、本抗体と次世代シークエンサーを用いたm1A-seq解析により、ヒトやマウスのmRNAでもその存在が明らかとなりました。mRNAのm1A修飾は翻訳調節に影響を及ぼすことが示唆されています。

D345-3_m1A_data

D345-3_m1A_table



抗7-methylguanosine (m7G)-Cap 抗体
抗7-methylguanosine (m7G) 抗体

mRNAや一部のncRNAの5' 末端には、7-methylguanosine (m7G)cap、いわゆる5'-cap と呼ばれる特徴的な構造があります。m7G capは、翻訳の促進やmRNA の安定化、スプライシング、ポリアデニル化、核外輸送にも関与しています。また、キャップ構造とは別に、tRNAやrRNA中にもm7G修飾が存在します。これらは真核生物でよく保存されており、その重要性が示唆されています。

■ RNA Immunoprecitipation

m7G-Cap 構造の付いたRNA 鎖(m7G-capped RNA)、ランダムにm7G を取り込ませたRNA 鎖(m7G-l abel ed RNA)、m3G-Cap 構造の付いたRNA 鎖を用いて、RNA-IP を行いました。
抗m7G抗体 RNA-IP data



抗2,2,7-trimethylguanosine (m3G/TMG)抗体

自社開発のオリジナルクローン!(クローン:235-1)

m3G/TMGは、mRNAのスプライシングに関連するsnRNAやsnoRNAに特徴的な5'-cap構造です。従来品よりも反応性・特異性共に優れた抗体を開発しました。本抗体でのRNA-IPにより、total RNA中のsnRNA/snoRNA をより効率的に濃縮もしくは除去することが可能になりました。

■ RNA Immunoprecitipation

Total RNA から抗m3G/TMG 抗体でRNA-IPを行いました。rRNAの混入が少なく、効率的にsnRNA/snoRNA を濃縮することができました。
抗m3G抗体 RNA-IP data

■ Immunocytochemistry

HeLa細胞で免疫染色を行いました。核に特異的な染色が確認されました。
抗m3G抗体 IC data
Cells: HeLa
赤色:Anti-2,2,7-trimethylguanosine (m3G/TMG) mAb (Code No. RN019M)
青色:DAPI



抗5-methylcytidine (m5C) 抗体

5-メチルシチジン (m5C) はtRNA やrRNA、mRNA、lncRNA に含まれる修飾ヌクレオシドです。がんなどの疾患では血中や尿中に修飾ヌクレオシド単体で多く検出されます。本抗体は、RNA 中のm5Cだけではなく、DNA中の5-メチル-2'-デオキシチジン(m5dC)および5-メチルシトシン(5mC)の検出にも利用可能です。

D346-3_m5C_data




抗Pseudouridine 抗体

シュードウリジンはtRNAやrRNAなどのncRNAに豊富に存在する修飾ヌクレオシドで、酵母やヒトのmRNAでもその存在が確認されています。

D347-3_Pseudouridine_data

*サンプルご提供:東北大大学院医工学研究科分子病態医工学 阿部 高明 教授




抗Inosine抗体

イノシンは、A-to-I RNA 編集と呼ばれる酵素の活性によってアデノシンが置換されてできる転写後修飾で、 mRNAからncRNAまで多くのRNAに存在します。mRNAに生じたイノシンはアミノ酸配列の変化、選択的スプライシングの調節、RNAの 安定化制御などを引き起こします。また、miRNAの前駆体がA-to-I editing編集されるとその成熟プロセスに影響を及ぼし、mRNA上のターゲットサイトが変化します。これらの機能が正常に働かないと、神経疾患やがんなどの様々な疾患の原因となることが報告されています。


■RNA Immunoprecipitation

Inosineを取り込ませたRNA鎖と修飾が入っていないRNA鎖を用いて、RNA-IPを行いました。

RNA-IPデータ


■Immunocytochemistry

ICデータ


■Immunohistochemistry

ラットの脳組織を染色しました。Inosineを添加し、競合阻害により染色性の低下を確認しました。