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RiboCluster Profiler™


BRIC Kit

製品詳細 

RNAの安定性や半減期を解析するツール

  • 新規のバイオマーカーや創薬ターゲットの探索に!
  • RNA分解制御に着目した新しい経路の発見に!
  • lncRNAや新規転写産物の解析に!

原理

BRIC Kit原理RNA 分解は、細胞内のRNA 量の調節や異常なRNA の排除を担う重要な機構です。ヒトの遺伝子の5-10% はRNA 分解による発現制御を受けていることが知られており、転写や翻訳による制御と同様に注目されています。
以前より、遺伝子発現調節の研究から、個々の遺伝子は分解速度が異なることが知られていました。例えば、ハウスキーピング遺伝子などの恒常的に発現が認められる遺伝子では半減期が長く、転写因子や細胞周期関連因子などでは半減期が非常に短くなっています。このことから、半減期と遺伝子の機能との関連が示唆されています。

これまでのRNA の安定性や半減期の解析では、アクチノマイシンD などの転写阻害剤が用いられてきました。しかし、転写阻害剤はRNA の安定性や局在を変化させるなどの悪影響があり、正しい解析結果が得られない可能性が指摘されています。BRIC(5-bromouridine immunoprecipitation chase) は、転写阻害剤のかわりに5-bromouridine (BrU) を細胞にパルスしBrU 標識された新生RNA を回収する方法です。悪影響の少ない穏やかな条件下で細胞内のRNA の安定性や半減期を解析できる手法として注目されています。BRIC Kit とRT-qPCR、マイクロアレイ、シーケンシングを組み合わせることで、細胞内の目的RNA 量の変化の解析や新規機能分子の探索が可能になります。



BRIC Kitの特徴

製品詳細
BRIC Kit写真
  • RNAの標識にBrUを採用。さらにBrU-RNAの回収に適した高品質の抗BrdU抗体を同梱。 
    ※BrUに交差反応します
  • 核酸の非特異吸着が少ないProtein G-Magnetic beadsを採用することで、RNA-IPでのバックグラウンドを低減。
  • RNA-IP効率の指標となるSpike-in controlを同梱。
  • RNAを高純度で回収可能な核酸抽出試薬を同梱。フェノール不使用のため廃液処理の手間が省けます。RNA抽出では実験デザインに合わせて、 3つの抽出方法を選択することができます。

RNA抽出ステップ





細胞株ごとのBrUラベル効率の比較

Labeling effi ciency* Cell lines コメント
High HeLa, K562 150 µM BrUラベルによりBRICが可能
Moderate 293T, HT29
Low Jurkat, HEK293, T-47D, PC3 500 µM BrUラベルによりBRICが可能
Very Low MCF-7, ZR-75-1, KATO III, MEG-01, WERI-Rb-1 500 µM BrUラベルでもBRICが困難

*BrU で24 時間パルスし、wash 後にBRIC を行い、回収したRNA 量をNano Drop で測定して評価しました。



BRIC Kit を用いたBrU標識RNAの解析例

 

1. 様々な細胞株におけるBrU標識後24時間でのRNA安定性解析

様々な細胞株におけるBrU標識後24時間でのRNA安定性解析
7種類の細胞株 (HeLa、K562、293T、HT29、Jurkat、HEK293、T-47D) に150 µMのBrUを24時間パルスし、washして24時間後、BRICを行いました。回収したRNAについてqRT-PCRを行い、解析したところ、ハウスキーピング遺伝子である18S rRNAやACTBは高い安定性を示しました。一方、転写因子のHIF-1αや強力な降圧ペプチドであるADMのmRNAでは安定性が低く分解されていることがわかりました。 Jurkat、HEK293、T-47DはBrUのラベル効率が低く、細胞株でラベル効率に違いがあることがわかりました。

2. HeLa細胞でのBrU標識RNAの半減期解析

HeLa細胞でのBrU標識RNAの半減期解析
HeLa細胞に150 µMのBrUを24時間パルスし、washして0, 4, 8, 12, 24時間後、BRICを行いました。回収したRNAについてqRT-PCRを行い、解析したところ、ハウスキーピング遺伝子である18S rRNAやACTBは長い半減期を示しました。一方、転写因子のHIF-1αや強力な降圧ペプチドであるADMのmRNAでは半減期が短いことがわかりました。




参考文献

  • Maekawa S et al. Analysis of RNA decay factor mediated RNA stability contributions on RNA abundance. BMC Genomics 16,154 (2015) (PMID:25879614)
    RNA-seq、ChIP-seq、BRIC-seq データを比較し、RNA 分解制御による遺伝子発現制御の重要性を示唆
  • Tani H et al. Genome-wide determination of RNA stability reveals hundreds of short-lived noncoding transcripts in mammals. Genome Res. 22, 947-56 (2012)
    (PMID:22369889)
  • Tani H, Akimitsu N. Genome-wide technology for determining RNA stability in mammalian cells: historical perspective and recent advantages based on modified nucleotide labeling. RNA Biol. 9, 1233-8 (2012) (PMID:23034600)
  • Imamachi N et al. BRIC-seq: a genome-wide approach for determining RNA stability in mammalian cells. Methods 67, 55-63 (2014) (PMID:23872059)
  • Tani H et al. The RNA degradation pathway regulates the function of GAS5 a non-coding RNA in mammalian cells. PLoS One 8, e55684 (2013) (PMID:23383264)
  • Tani H et al. Identification of hundreds of novel UPF1 target transcripts by direct determination of whole transcriptome stability. RNA Biol. 9, 1370-9 (2012)
    (PMID:23064114)