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Serine/Threonine Kinase Assay Kits




セリン/スレオニンキナーゼは、標的蛋白質をリン酸化することでそれらの活性を調節します。これにより、細胞周期、細胞分裂、神経伝達、筋収縮等の様々な細胞内シグナル伝達に関与しています。これらのキナーゼの異常は、多くの癌で見られます。
これらに特異的なアクチベーター、インヒビターは疾患の治療薬として注目されており、キナーゼ活性測定は、新規治療薬開発の優れた指標になると考えられています。

◎ELISA法により、簡単、迅速なアッセイが可能です。
◎細胞/組織抽出液中の酵素活性測定に最適。
◎インヒビターやアクチベーターのスクリーニングや酵素学的検討にも最適。
◎蛋白精製のモニタリング、薬理作用効果の検出も可能。


AMPK Kinase Assay Kit

AMPK
AMP活性化プロテインキナーゼ (AMPK) は、代謝経路での主要な酵素、例えばアセチル-コエンザイムA カルボキシラーゼ (ACC)、mTOR (mammalian target of rapamycin) をリン酸化して活性を調節することや、転写因子および転写補助因子の活性を制御することにより、細胞内のエネルギー代謝を制御します。AMPKの機能は、筋肉と肝臓において精力的に研究されてきました。AMPKは、ブドウ糖輸送や脂肪酸酸化などの経路を刺激して、エネルギー生産を増加させる一方、脂質合成、タンパク質合成、糖新生などのエネルギー消費経路のスイッチを切ります。脂肪細胞内のAMPKは、絶食や運動などを通して活性化されます。アディポネクチンとレプチンは、血糖降下剤と同様に、脂肪細胞内のAMPKを活性化します。この活性化はおそらくAMP/ATP比の変化と上流のキナーゼLKB1に依存しています。これらのことより、AMPKの活性化は、インスリン耐性の病態(2型糖尿病)に対して魅力的な薬学的効果があるだろうと考えられるようになりました。実際、AMPKは、既存の治療薬、例えばインスリン感受性を改善するメトホルミンやいくつかのホルモンなどの間接的な標的分子であることが明らかになっています。

AMPK Kinase Assay Kit


Rho-kinase Assay Kit

 Rhokinase
DMPKファミリーに属するRhoキナーゼは、small G proteinである Rhoのエフェクター分子です。Rho-GTPにより活性化されたRhoキナーゼは、血管を含めた平滑筋の収縮を誘導します。このRhoキナーゼは、ミオシンフォスファターゼ (MP) の活性調節を司っている110 kDa サブユニットMBS (Myosin-Binding Subunit of myosin phosphatase) のリン酸化を介して平滑筋の収縮をひきおこします。RhoキナーゼによるMBSのリン酸化により、MP活性は阻害され、結果的にミオシン軽鎖のリン酸化レベルが亢進するため平滑筋収縮がひきおこされると考えられています。
CycLex社が属するMBLグループは、Rhoキナーゼに関する以下の特許および特許出願について特許権者より特許実施に掛かるライセンスを受けております。

Rho-kinase Assay Kit

日本国特許番号 3193301
米国特許番号 6013499
日本国特許出願平 09-095321
米国特許番号 5906819


Cyclic GMP dependent protein kinase (cGK) Assay Kit

cGKは、一酸化窒素 (NO) の生成と、それに伴うcGMP濃度の上昇により活性化されます。NOとcGMPの生理学的メディエーターであるcGKの活性化は、血管の弛緩を誘導し血圧を低下させます。また、small Gタンパク質であるRhoに作用し、血小板機能の調節に働くことも示されています。これらに特異的な促進剤や阻害剤は、心疾患をはじめ多くの血管疾患の治療薬としての可能性があると考えられています。

Cyclic GMP dependent protein kinase (cGK) Assay Kit


Checkpoint Kinase Assay/Inhibitor Screening Kit

ヒトCdc25ファミリーには、G1期からS期への移行を調節するCdc25A、G2期からM期への移行を調節するCdc25BとCdc25Cの3種類が存在します。脱リン酸化酵素であるCdc25ファミリーによる標的の適切な脱リン酸化は、正確な細胞周期の移行に必須です。その主要な標的が、サイクリン依存性キナーゼCdc2のThr14とTyr15の2つのリン酸化部位です。これらの部位がCdc25Cにより脱リン酸化されることによりCdc2が活性化され、M期への移行が開始されます。反対にCdc25Cの活性化は、そのSer216のリン酸化により抑制されており、DNA損傷などの外的ストレスにより活性化したChk1、Chk2、C-TAK1などのキナーゼは、このCdc25CのSer216をリン酸化することにより細胞周期停止 (Cell Cycle Checkpoint) を誘導します。

Checkpoint Kinase Assay/Inhibitor Screening Kit


AKT/PKB Kinase Assay/Inhibitor Screening Kit

AKT/PKBファミリーは、ウイルス性癌遺伝子であるv-Aktの相同遺伝子として同定されました。ヒトではAKT1、AKT2、AKT3の3つのファミリーが知られています。AKTファミリーは、そのN末端側に存在するPHドメインを介し、PI3Kによって生成されるPIP3などの膜リン脂質と結合することにより、細胞質から細胞膜へ移行します。細胞膜において、C末端側の活性部位(AKT1 Thr308)と調節部位(AKT1 Ser473)は、それぞれPDK1 (3'-phosphoinositide-dependent kinase 1) とPDK2によりリン酸化を受け、リン酸化酵素活性が上昇したAKTファミリーは、細胞膜から遊離し核へ移行することが報告されています。AKTファミリーは糖代謝を制御するGSK3をリン酸化することにより、血糖値の上昇を促進することやアポトーシスを抑制して細胞の生存を維持することが知られています。また、卵巣癌、膵臓癌、肺癌での過剰発現が認められています。

AKT/PKB Kinase Assay/Inhibitor Screening Kit


CK2 Kinase Assay/Inhibitor Screening Kit

CK2 (Casein kinase II) は広範な組織で発現が見られ、多くの細胞内シグナル伝達に関与しています。CK2は、多くの癌においても発現が認められ、特にその発現レベルと癌細胞の増殖速度には強い相関があることが報告されています。また、CK2の触媒サブユニットであるαサブユニットを細胞に高発現させることにより、癌原性を付与できることが報告されています。リン酸化酵素の多くは非常に厳密にその活性化が制御されていますが、CK2は恒常的に活性を持っていることが知られており、この恒常的な活性化が癌細胞の増殖に関与する一因だと考えられています。ウイルス感染成立に寄与する可能性も示唆されており、CK2は制癌剤や抗ウイルス薬の標的と考えられています。

CK2 Kinase Assay/Inhibitor Screening Kit


CaM-kinase II Assay Kit

CaM-kinase IIは広範な組織で発現が見られ、細胞内においてカルシウムを介するシグナルを転写活性化因子などの多彩な標的タンパク質に伝達することが知られています。CaM-kinase II は、6量体からなるリングが二重になった特殊な形態のホロエンザイム構造の形成に加え、自己抑制ドメインを持ちます。CaM-kinase IIファミリーは、α、β、γ、δの4種が知られており、γとδはほぼ全ての組織に発現している一方で、αとβは神経組織特異的に発現しています。CaM-kinase IIは、特に脳に豊富に存在し、げっ歯類の海馬では全タンパク質の2%に達するほどです。カルシウムシグナルを延長し、神経伝達物質の生合成や放出、さらに海馬における長期増強や記憶の形成など中枢神経機能の制御に深く関わっていることが示唆されています。

CaM-kinase II Assay Kit


p38 Kinase Assay/Inhibitor Screening Kit

哺乳動物細胞中には、現在までにERK経路、JNK経路、およびp38MAPK経路の3つの異なったMAPK経路があることが明らかになっています。ERKはマイトジェンと増殖刺激により、JNKとp38MAPKは紫外線、熱、浸透圧ショックおよび炎症性サイトカインなど種々の環境ストレスにより活性化されます。p38MAPKは、α、β、γ、δ、p38-2の5つのファミリー/アイソフォームが同定されています。p38MAPKは、MKK3とMKK6を含む上流のキナーゼによりThr-Gly-Tyrモチーフがリン酸化されることにより活性化され、これらの上流のキナーゼはそれぞれ異なるp38アイソフォームを優先的に活性化します。この中で最も良く研究されているp38αMAPKは、炎症性サイトカインの産生とシグナル伝達に重要です。いくつかのp38 MAPK阻害剤が、IL-1、TNF及び他のサイトカインの産生を抑制することが明らかにされ、サイトカイン産生抑制は転写と翻訳のレベル両方で行われていると考えられています。p38MAPK阻害剤を用いた前臨床試験の結果は、p38MAPKが炎症において重要な役割を果たしていることを示しています。

p38 Kinase Assay/Inhibitor Screening Kit


Polo-like kinase 1 Assay/Inhibitor Screening Kit

Polo-like kinase 1 (Plk1) は、中心体成熟と紡錘体制御に中心的役割を担い、その活性が分裂期における娘染色分体分離に重要であることが示されています。Plk1の発現上昇は様々なヒト癌で認められ、疾患マーカーとしても提唱されています。癌細胞においてsiRNAを用いてPlk1を特異的に欠損させると、4倍体DNAをともなう細胞周期停止が引き起こされ、細胞増殖の阻害とアポトーシスの誘導により生細胞率が減少することが示されました。Plk1活性の阻害は癌治療の重要な手法になりうると考えられています。

Polo-like kinase 1 Assay/Inhibitor Screening Kit