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疾患との関わり


パーキンソン病・クローン病

パーキンソン病

ユビキチン・プロテアソーム系の遺伝子に変異がおこると、神経系の細胞に異常なタンパク質の蓄積がみられることが知られています。パーキンソン病の特徴として、細胞内にレビー小体という凝集体の蓄積が見られます。ユビキチンを活性化する酵素の遺伝子変異が原因の一つと考えられています。また、レビー小体を蓄積しないタイプのパーキンソン病も知られています。その原因のひとつとして、細胞内で損傷あるいは機能が低下したミトコンドリアを分解処理するParkin(パーキン)と呼ばれるユビキチンリカーゼに遺伝子変異があることがわかりました。Parkinは、膜電位を消失した損傷ミトコンドリアに集積し、ユビキチン化します。それがきっかけとなり、損傷ミトコンドリアは、オートファジーによって分解されます。オートファジーが進まず、損傷ミトコンドリアが蓄積すると、活性酸素の発生源となり、細胞が傷ついてしまいます。オートファジーによるミトコンドリアの選択的分解は、「マイトファジー」と呼ばれ、パーキンソン病の一部は、このマイトファジーの異常によるものと考えられます。

クローン病

ATG16L1 は、オートファゴソームを作るのに必要な因子ですが、その遺伝子変異とクローン病・潰瘍性大腸炎の病態の関連が注目されています。腸管上皮細胞でのオートファジー機能がうまく働かないと、パネート細胞(腸管細胞の一種)が成熟できないために、腸管バリアー機能が低下し、慢性の炎症が起こるのではないかと考えられています。(参照:腸管免疫とは?


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