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MR1 Tetramer


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MAIT細胞の検出に

MAIT細胞とは

MR1 Tetramerイメージ図 MAIT細胞(mucosal-associated invariant T cells)は、自然免疫型T細胞に分類される細胞で、ヒトにおいては最大級のT細胞亜集団とされています。当初、腸管粘膜固有層に多く局在することから命名されましたが、肝臓や末梢血単核球にも高頻度に検出されることが報告されています。
MAIT細胞はMR1分子が提示する感染源由来のビタミンB誘導体を認識することにより、細菌や真菌の感染に対して応答すると考えられています。TCRを介して活性化したMAIT細胞は、IFN-γやIL-17、IL-2、グランザイムBを産生し、 感染細胞に対して細胞傷害性活性を発揮し、感染の拡大を防ぎます。

MR1分子とは

MR1(MHC class I-related Protein)はβ2-microglobulin(β2m)と非共有結合した膜タンパク質で、非古典的クラスⅠ分子の1つです。生体内のほぼすべての細胞に発現しています。
定常状態では細胞表面上に存在せず、細胞内小胞体に局在します。感染などの刺激によって、感染源由来のビタミンB誘導体などを提示したMR1分子は細胞表面上に移行し、MAIT細胞を活性化します。

MR1 Tetramerとは

MR1 Tetramerは、MR1とβ2mの複合体をPEまたはAPC標識されたストレプトアビジンにより4量体化した試薬です。

疾患とMAIT細胞

MAIT細胞は、感染防御における役割のみならず、免疫系疾患への関与が指摘されています。また、MAIT細胞の発生、分化には腸内細菌が重要であることも示されており、腸管免疫分野における研究意義も大きいと考えられています。

これまでに以下の疾患への関与が指摘されています。
 全身性エリテマトーデス、関節炎、強直性脊椎炎
 多発性硬化症、Ⅰ型糖尿病、線維筋痛症候群
 炎症性腸疾患;潰瘍性大腸炎、クローン病


主なMR1リガンド

名称rRL-6-CH2OH:
reduced 6-hydroxymethyl-
8-D-ribityllumazine
5-OP-RU:
5-(2-oxopropylideneamino)-
6-D-ribitylaminouracil
6-FP: 6-formylpterin
特徴 当初同定された抗原2)
MAIT細胞活性化能を有する
結合力が強い
ビタミンB2生合成の早期中間体
から生成される
葉酸の光分解産物
MR1に結合するが、MAIT細胞
活性化能はない
構造式 rRL-6-CH2OHの構造式 5-OP-RUの構造式 6-FPの構造式

MR1 Tetramerへのリガンドロード方法例  *本製品にはリガンドは含まれていません。

5-OP-RU

MR1 Tetramerへのリガンドロード方法
5-A-RU STOCK溶液:5-A-RU(Toronto Research Chemicals, Code No. A629245)2.76 mg/mL(in ddw)
Methylglyoxal溶液:Methylglyoxal(Sigma, M0252-25ML)1 µLと純水406 µLを混和
MR1 Tetramer 100 µLに対して5-OP-RUを0.72 µL添加


Ac-6-FP [Negative Control用リガンドの一例]

Ac-6-FP(Carbosynth, Code No. FA16935)2 mg/mL (in 10 mM NaOH)
MR1 Tetramer 10 µgに対して1 µg添加


染色例① PE標識テトラマーを用いた染色例

健常人末梢血よりPBMCを分離し、プロトコルに従い5-OP-RUあるいはAc-6-FPをロードしたT-Select Human MR1 Tetramer v2-PEで染色しました。FITC標識抗CD3抗体と7-AADを反応させたのち、フローサイトメトリーで測定しました。
FSC/SSCとFSC-H/FSC-Aでシングルのリンパ球集団をゲーティングし、FSC/7-AADで死細胞をゲートアウトしました。


ゲーティング
ゲーティング

測定結果
ゲーティング

%:CD3陽性細胞中のテトラマー陽性細胞率を示す


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染色例② 他社製品との比較

健常人末梢血よりPBMCを分離し、ロードなし、5-OP-RUあるいはAc-6-FPをロードしたT-Select Human MR1 Tetramer v2-APCと、A社の、ロードなし、5-OP-RUあるいは6-FPをロードしたMR1テトラマーで染色比較しました。
FSC/SSCとFSC-H/FSC-Aでシングルのリンパ球集団をゲーティングし、FSC/7-AADで死細胞をゲートアウトした細胞集団を解析しています。

測定結果

参考文献

1) Dusseaux M, et al. Blood 117:1250-1259 (2011)
2) Kjer-nielsen L, et al. Nature 491:717-723 (2012)
3) Reantragoon R, et al. J Exp Med 210:2305-2320 (2013)
4) Corbett AJ, et al. Nature 509:361-365 (2014)
5) Eckle SB, et al. J Exp Med 211:1585-1600 (2014)
6) Howson LJ, et al. Front Immunol 6:303 (2015)
7) Mondot S, et al. Immunogenetics 68:537-548 (2016)
8) Keller AN, et al. Nat Immunol 18:402-411 (2017)
9) Keller AN, et al. Curr Opin Immunol 46:66-74 (2017)
10) Greene JM, et al. Mucosal Immunol 10:802-813 (2017)
11) Kjer-nielsen L, et al. Immunol Cell Biol 6:573-587 (2018)
12) Chiba A, et al. Front Immunol 9:1333 (2018)


製品リスト  *本製品にはリガンドは含まれていません。


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