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成人T細胞白血病(ATL)マーカー




成人T細胞白血病(ATL)は腫瘍ウイルスであるHTLV-1感染を原因とする白血病、もしくは悪性リンパ腫で、HTLV-1キャリアは日本全国で100万人以上いるとされます。(特に鹿児島、宮崎など九州に偏在しています。)病型は、急性型、リンパ腫型、慢性型、くすぶり型に分類されます。

SynCAM(CADM1/TSLC1)は1回膜貫通型の免疫グロブリンスーパーファミリー細胞接着分子(IgCAM)であり、様々な器官や組織での発現が確認されています。上皮細胞や間質細胞の接着因子として知られていますが、様々な癌種において「癌抑制遺伝子」として報告されている分子です。一方、成人T細胞白血病(ATL)においては、高発現する事が知られており、急性型, リンパ腫型ATLで100%、慢性型ATL、くすぶり型ATLの一部、さらには無症候性HTLV-1キャリアでもその一部に発現が認められ、悪性ATL細胞の診断マーカーとなりうる可能性が示唆されています。

■ SynCAM(CADM1/TSLC1)の構造
成人T細胞白血病においてSynCAMは高発現する

抗SynCAM抗体

弊社では、主にFCM(フローサイトメトリー)で使用できる抗体(FITC、PE、Alexa)を多数発売しております。特異的な抗体の取得が難しいとされている抗体ですが、弊社のニワトリモノクローナル抗体作製技術により、クローンの取得に成功しました。

Anti-SynCAM (TSLC1/CADM1) mAb-FITC(Code No. CM004-4


HTLV-1テトラマー試薬

HTLV-1の感染は、宿主免疫応答を引き起こします。特に、CD8陽性T細胞(細胞傷害性T細胞:CTL)は、ウイルスや細菌に感染した細胞を破壊する重要な役割を担っています。CTLは、特定のHLAとウイルス由来のペプチド(エピトープ)のcomplexによって増殖・活性化する事が知られています。このエピトープは、多数の種類が知られていますが、HTLV-1キャリア、成人T細胞白血病(ATL)、HTLV-1関連脊髄症(HAM/TSP)により、特定のエピトープ拘束性CTLの数と多様性が変動する事が知られており、病態や発症の理解、ワクチン等治療薬の開発が行われています。
弊社では、日本人に多いA*24:02、A*02:01、A*11:01アリルにおいて多数のHTLV-1テトラマー試薬を発売しています。
HTLV1テトラマー使用例

データ提供:
国立大学法人 鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科 難治ウイルス病態制御研究センター
血液・免疫疾患研究分野 有馬 直道 先生
福岡大学 薬学部 生化学・病態生化学教室 小迫 知弘 先生